石川 啄木「百姓の多くは酒をやめしといふ。 もつと困らば、 何をやめるらむ。」

2019/10/18(金)曇り,雨。日付けがかわり19日土曜日になると,また大雨になる

石川 啄木
『一握の砂』

「手套(てぶくろ)を脱ぐ時」より

用もなき文(ふみ)など長く書きさして
ふと人こひし
街に出てゆく


赤紙の表紙手擦(てず)れし
国禁の
(ふみ)を行李(こうり)の底にさがす日

売ることを差し止められし
本の著者に
(みち)にて会へる秋の朝かな

今日よりは
我も酒など呷
(あふ)らむと思へる日より
秋の風吹く


2019/10/19(土)朝まで強い雨,のち曇り
20191019 hibiscus orange.JPG

『悲しき玩具』より

おれが若(も)しこの新聞の主筆ならば、
やらむ――と思ひし
いろいろの事!

百姓の多くは酒をやめしといふ。
もつと困らば、
何をやめるらむ。

珍らしく、今日は、
議会を罵
(ののし)りつつ涙出でたり、
うれしと思ふ。

何か一つ
大いなる悪事しておいて、
知らぬ顔してゐたき気持かな。

今日もまた胸に痛みあり。
 死ぬならば、
 ふるさとに行きて死なむと思ふ。


『 石川啄木集 』下巻
古谷 綱武
新潮文庫
(初版は 昭和二十五年七月十五日)


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