「血塗られた商品」の不買だけでは,労働者に対する人権侵害は解決しない

なるほど、お前の主張は正しいが、そこを考えてみてはどうかな、正義の一本槍では、吾々一人として救いに与(あずか)るものはない。 祈りにも慈悲を口にする、その慈悲を求める祈りそのものが、人にも慈悲を施せと教えているのだ。
シェイクスピア 『 ヴェニスの商人 』
福田 恆存 訳


2019/06/27(木) hibiscus orange
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2019/06/29(土) hibiscus red
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❒ 「血塗られた商品」の不買だけでは,労働者に対する人権侵害は解決しない

 外国人技能実習生の「奴隷労働」の実態がNHKのドキュメンタリー番組により衆目の目に触れた。
 この事案について,NPOほっとプラス代表理事・藤田孝典氏が 「今治タオルブランドの背景にあった違法な外国人労働ー差別と搾取で成立する血塗られた産業からの脱却を―」 という論考を発表している。

 「違法」であることが問題なのか,「差別と搾取で成立する血塗られた産業」 ということが問題なのか,タイトルからは判然とはしない。
 もちろん藤田氏の正義感と運動は尊敬すべきものであって,氏の活動なしに,法律だけで社会また国家が人権を守りきることはできないことは確かだ。

 しかし,この論考にある 「法律など絵に描いた餅と化している。」 という分析と,以下に挙げたツイート発信にある「法律、制度を作ったら社会が変わる、安倍政権が退陣したら社会が変わる、などなど、誤った政治主義や制度主義に陥いっている人たち」 の啓蒙を目指そうという部分からは,社会運動だけが人類社会に変化をもたらすという価値観がにじみ出ている。

 では現在の社会活動にしても,法や制度から〈自由〉であるのだろうか。そんなはずはない。
 そして,〈新自由主義グローバリズム〉と呼ばれる〈新しい帝国主義〉なる〈奴隷制度〉は,消費者の行動だけで是正されるだろうか。 そんなはずはない。

 「また、私たち消費者は商品がどのような過程で製造されているのか、改めて確認」 したとしても,絶望的な観測になるが,現代にあって商品という商品のほぼすべてが藤田氏の言う「血塗られた商品」なのではないか。 ツイートをしているスマホにしても,たとえばそこに使われているレア・アースが どういった〈奴隷労働〉によって生産されているのか。 それは,想像に難くない。

 藤田氏も書かれている
「そもそも「外国人技能実習制度」とは、人材育成を通じて国際貢献を果たす目的でつくられていると政府は説明している。と。

 だからこそ,安倍政権によるこれらの立法を止めるには,政権交代が必要だ。
 法も,社会運動も,どちらも必要条件であって,社会の閉塞状況から抜け出すために,いずれかだけという選択はない。
 また,残念ながら 「消費者も皆さんの行動にも希望を見出したい。」 という結語は,あまりに楽観的ではないだろうか。


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◇ 参 考
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20190628-00131998/
今治タオルブランドの背景にあった違法な外国人労働 ― 差別と搾取で成立する血塗られた産業からの脱却を ―
藤田孝典
| NPOほっとプラス代表理事 聖学院大学人間福祉学部客員准教授

藤田孝典
https://twitter.com/fujitatakanori
2019/06/27
法律、制度を作ったら社会が変わる、安倍政権が退陣したら社会が変わる、などなど、誤った制度主義や政治主義に陥っている人たちに向けて 「闘わなければ社会は壊れる」 を出版しました。 闘い方や戦略を誤ると社会は変わらないし、破壊状況、閉塞感は強まります。
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2019/06/28
今治タオルブランドの背景にあった違法な外国人労働ー差別と搾取で成立する血塗られた産業からの脱却を―(藤田孝典)https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20190628-00131998/ … 労働者への差別や人権侵害、違法労働による血塗られた商品に手を出さないでほしい。 血塗られた商品に手を出し続けている限り、犠牲は止まることがない。

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