安倍首相「改憲」の意欲 ― 憲法99条違反

吉本 隆明
第九条が世界に冠たる未来性をもつ唯一の条項だとするわたしのたたかいは、陰に陽にもっともっとながく、ときどき休んだり遊んだりしながら、継続される

小沢一郎 『日本改造計画』 のもうひとつの提案にあるように、アメリカとロシアのような核大国をはじめ核兵器保有国が、徐々に核兵器を廃棄して、日本国憲法第九条に近づくように、国連を介して日本政府は具体的な提案をつくって粘りづよくたたかうべきだ

『 吉本隆明の メディアを疑え 』 2002年

ハイビスカス 2018/09/02
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安倍首相「改憲」の意欲は憲法99条違反

 安倍首相が3日,憲法9条への自衛隊明記を目指す考えを事実上表明したことが報道されている。
 憲法遵守義務のある国会議員,それも行政府の長である首相が「自民党の党是」だとして,公務員である自衛官の前で9条改憲の意欲を隠そうともしないのは,そもそも異常だ。

  憲法9条に違反する「安倍首相の改憲意欲」を批判もせず垂れ流してみたりする大メディアは,違憲の「安倍=安保法制」についてもまともに議論を継続しようとしていない。

 私は,日本は国軍を持たないという選択をするべきだと強くおもっている。これについては,「改憲派リベラル」からの批判も多い。
 だが,各国の国軍の大きな役割は国境を保守することだけであって,あるかもしれない「侵略」にそなえて他国,ましてや自国から遠く離れた地域での戦闘を可能にする国軍を持つことなど言語道断と言いたい。

 世界の警察隊として機能できる国連軍は,ときに必要であろうとは想像できるにしても,いまだに世界では爆撃などによる市民,大衆の数えきれない犠牲者をなくすることができてはいない。
 だから,他国の軍隊が出動してそれを防ぎえたところは,いったいどこにあり,いったいどれだけの人びとが救助されたのかと聞いてみたい。


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◇ 憲法9条の「未来性」

『 吉本隆明の メディアを疑え 』
2002年 4月 15日 第1刷
青春出版社

p.42 11行目途中 ~ p.45 13行目
 この九条だけが世界中のどの「資本主義」国や「社会主義」国の軍事規定よりも圧倒的に優れているし、未来性をもっているからだ。 いうまでもなく国軍を持たないこと、国家を開いてゆくことは未来につながる理想で、日本国の憲法だけがわが国と世界中の戦争犠牲者の死ととりかえに持つことになった唯一の条項なのだ。

 村山富市内閣と社会党は、この第九条を無効にすることで、日本国の憲法と日本国の存在を何の取柄もないものに、つき落してしまった。
 その後も、アメリカのアフガニスタン攻撃を支援するためのテロ対策特別支援法で、自衛隊の武器使用条件が拡大されるなど、私の希望とは逆の方向に事態は流れている。

 読者のうちには自衛隊合憲と言いだすことは、新生党や日本新党といった当時の改革を掲げた党を中心とした細川内閣や羽田内閣でもおなじことだったのではないかと考える人がいるかもしれない。 だが小沢一郎新生党代表幹事(当時)の『日本改造計画』の考えを真にうければ、第九条はそのままにして第3項を加えて、国連として行動するばあいは海外派遣も可能だとすべきだとはっきり述べている。

 「第九条はそのまま」にして第3項を加えるということと、自衛隊は合憲と宣明して第九条を実質上無効にしてしまうこととは、まったく違う。 『日本改造計画』では、第九条はそのままにしておいて、ただ自衛隊が存在してしまっているという既成事実を既成事実とするというだけだ。 そして第3項を加えて国連軍としてなら海外派遣もありうるということは、海外で戦闘行為をすることになることがありうるから、違憲行為が発生するおそれがあり、もちろん国民投票か、解散総選挙によって国民大衆の信任を問わなくてはならないことに属する。

 わたしは、もちろん第3項を加えて、自衛隊が国連軍として海外派遣されることにも反対だ。 それよりも 『日本改造計画』 のもうひとつの提案にあるように、アメリカとロシアのような核大国をはじめ核兵器保有国が、徐々に核兵器を廃棄して、日本国憲法第九条に近づくように、国連を介して日本政府は具体的な提案をつくって粘りづよくたたかうべきだとおもう。 読者はわたしの言い分は空想的だ、というかもしれない。 もちろん国民大衆の選択に服するほかないのだが、そのときでも第九条が世界に冠たる未来性をもつ唯一の条項だとするわたしのたたかいは、陰に陽にもっともっとながく、ときどき休んだり遊んだりしながら、継続されるだけだとおもう。

p.54 ~
自民党から共産党までを評価してみる

p.55 9 ~12行目
 自由党。 小沢一郎という政治家はもっと元気で素直で、やる人だと思っていた 。政党のあいだでは、どんなに閉じていてもいいし、孤立した少数派でもいいけれど、ふつうの国民層に対しては全開で開いていること、国民に問いかけ、意見も聞き、討論もすること。 これができたら少数派でも政権が担当できますよ。

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◇ 報 道

しんぶん赤旗
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-09-04/2018090402_02_1.html
2018年9月4日(火)
安倍首相が “ 改憲表明 ”
自衛隊高級幹部への訓示


毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180903-00000023-mai-pol
<安倍首相> 自衛隊幹部を前に憲法改正に意欲
9/3(月) 11:31配信

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