「共謀罪」実は無限定の「団体」という概念

1) 「環境・人権の保護を掲げる団体」の実態を犯罪集団と認めるのは捜査機関
 くり返し,一般の人は捜査の対象ではないと政府はウソを吐いて,衆院を通過させ 29日に参院審議入りした共謀罪だが,東京新聞の1面トップ大見出しで報じられていた。


金田勝年法相は、環境や人権の保護を掲げる団体でも、実態が組織的犯罪集団と認められれば構成員が処罰対象になる可能性があると認めた (※)

2) 28日「NHK日曜討論」
 金田法相の国会答弁が,法案の危険性を明らかにし始めた。
 28日の「NHK日曜討論」に出演した法案に賛成している3人の考えは,29日の参院審議が始まっても,まだ変わらないのだろうか。

 法案に賛成している3人とは,井田良教授(中央大学大学院),弁護士の木村圭二郎氏,作家の門田隆将氏。
 いずれも「TOC条約批准に必要」「適正に捜査される」「一般の人が嫌疑をかけられる,対象になる可能性は,限られたものだ」 いずれも「基本的に」とか「ほぼ」とか,リスク回避についてはずいぶん消極的だった。
 そして,作家としてどうよと思ったのは,門田氏が 「内心の自由が侵されるという議論自身がずれている」 と発言したこと。

 「NHK日曜討論」は討論と言っても,賛否を交互に話してもらう構成では,共謀罪の問題点は,むしろ分かりにくかった。
 なので,法案に反対の立場で出演した 高山 佳奈子教授(京都大学大学院 刑事法学),弁護士の 山下幸夫氏,ジャーナリストの 江川 紹子氏の3氏の発言要旨をまとめて下にメモしておきます。

3) 重大な犯罪の実行の目的があるかないかは事前に監視,捜査をしていなければ,分からない
 このことについての法案賛成者からの説明は,単に「処罰の早期化が傾向になっているから」 「警察は基本的に信頼できる」 というようなことだけ。

4) 実は,無限定の「団体」という概念

 この改正案では現行の組織犯罪処罰法の「団体」を基本概念としている。
 「団体」の定義は,多数人の継続的な結合体であって,指揮命令の下で任務分担に従って一体として反復的に行動する集団。(井田良教授)

5) 高山 佳奈子 『 共謀罪の 何が問題か 』
岩波書店 定価626円(580円+税8% 46円)


画像


(※) 東 京 新 聞
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017053090070523.html
「共謀罪」人権・環境団体も対象、法相認める 参院審議入り
2017年5月30日 07時05分

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  ***   ****   ****   ***
2017年05月28日(日)
NHK日曜討論


● 共謀罪(「テロ等準備罪」)法案
高山 佳奈子
(京都大学大学院 刑事法学)
「テロに適用されない」
 2013年に東京五輪開催が決定したあとの2014年に改正されたテロ資金提供処罰法という法律がある。
 これによって組織的なテロ目的の金銭・物品・土地・役務という利益の提供が包括的に処罰の対象とされ,その幇助(ほうじょ),幇助の未遂まで,幅広く処罰の対象になっている。
 したがって,現行法のもとで テロ対策は十分に法律が整備されていて,新しい法案は,はっきり申しあげて,テロに適用される余地がない。
 市民生活を圧迫する心配のほうが大きいと考えていて,反対。
 国際社会からも批判的な意見が続出しているのが現時点の状況。

山下 幸夫(弁護士)
「捜査機関による監視国家化が進む」
 捜査の早期化。
 とりわけこれまで日本においては,21ぐらいしか,この共謀罪,陰謀罪はないが,277の計画罪を作る。
 普通の市民も含めて非常に広く適用される可能性があり,そして日常的に特定の団体の構成員を警察などの捜査機関,監視員が尾行をしたり,監視をすることが,当然,捜査のためには必要になる。
 早期に捜査が行われるようになると,監視国家化が一気にこれで進んでしまう。
 現在の日本の刑事法のあり方が変わってしまう。

江川 紹子(ジャーナリスト)
「遅効性の毒」
 こういう法律はメリットとデメリットの両方がある。 薬にたとえれば,メリットは病を治す力で,デメリットは副作用をもたらす部分。
 この法案には,無視しがたい毒の部分があって,それもすぐ効くのではなくて,時間をかけて効果が出てくる,遅効性の毒じゃないかと。
 施行されたとしても,すぐに目に見えた変化がないと思うが,いつの間に監視社会が進んだり,政府や大企業の施策とか事業に人びとが反対のアクションを起こすことをためらう,萎縮が進むんじゃないか。
 そして気がついたときには,全身つまり日本の民主主義社会に毒がまわって手遅れになりかねない懸念がある。
 どうしてもこの薬が必要だと言うなら,その強い毒性があることを認めたうえで,その弊害を最少にする手立てが必要だが,衆議院での議論を聞いていると,政府は毒性があることを認めていない。 ひたすら 「一般人には安全です,安全です」 とばかり繰り返す。 安全神話というのは,だめだと思う。

● 国際組織犯罪防止条約(TOC条約 通称 パレルモ条約)締結に不必要
山下 幸夫
(弁護士)
 2004年に立法ガイド=各国が立法するときのガイドラインが定められている。
 そこでは各国が自国の原則にしたがって自主的に判断をし,場合によっては共謀罪または参加罪ではない選択肢,すなわち日本では「未遂」より前の予備罪を作ることで対応することが可能であると。 各国が自分でそれを判断して決めればよいとされている。

 日本ではすでに,殺人予備罪,強盗予備罪など,かなりの予備罪,共謀共同正犯が認められている。さらにさまざま,銃刀法など処罰もされている。
 かなり広く,予備で,いわゆる組織的犯罪集団が行うような重大な犯罪については,ほぼ日本においてはすべてがカヴァーされている。
 もしほんとうに足りないものがあれば,1つひとつ検討して,1つ,2つ何か新しく作ることはできるだろうが,一気に277作らなければ批准できないものではない。

江川 紹子(ジャーナリスト)
 (法案と条約の関係について)専門家によってずいぶん意見が違うが,最近になって,たとえば外務省がその立法ガイドを改訳してネットにあげたりしている。 それにも誤訳があって,どうしてもこの法律を作るような方向になっているんじゃないかという指摘もある。
 ほんとうに277の罪に,共謀罪を導入する必要があるのか,私は疑問に感じている。

高山 佳奈子(京都大学大学院 刑事法学)
 TOC条約の条文を見ると,「未遂」よりも前の段階で処罰を可能にすることが求められている。
 国連の公式立法ガイドを執筆したニコス・パッサス教授も,日本は現行法のままで締結できると仰っている。
 また,内容を見ても,日本にはすべての犯罪について共謀共同正犯 (実行行為に及んでいなくても,一緒に考えていたら,その人も犯人となる。一網打尽にされる) という,組織犯罪処罰の制度が明治時代からある。
 これに,「未遂」よりも前の処罰段階である 予備罪や危険犯という 処罰類型を組み合わせると,きわめて広い範囲で処罰が可能であって,多くの国よりもむしろ広い範囲になっている。 そこで条約がもとめている範囲を十分カヴァーできている。
 また条約全体の趣旨,条文からも,各国は国内法の基本原則にしたがって対応をするようにと,もとめられている。
 たとえばイギリスでも,日本では処罰の対象から除かれていない配偶者間の犯罪の共謀,あるいは未成年者との共謀等を除外している。 アメリカも留保をしている。
 国内法のルールにしたがって考えるということであるなら,現行法で十分に締結が可能である。

ニコス・ パッサス教授 米ノースイースタン大学 国際刑法
「条約締結のため新たな法律が必要という政府の説明には理由がない。共謀罪の目的はテロ対策ではない」 〕
共謀共同正犯 2人以上の者が犯罪を共同で計画相談し,そのうちの誰かが共同の意志に基づいて犯罪を実行したとき,実行行為に関与しなかった者を含めて 全員が正犯として処罰される 〕


● オリンピックでのテロ対策?
山下 幸夫
(弁護士)
 もともと安倍首相は 「日本は世界で有数の安全な国である」 と説明して,オリンピックを招致した。
 日本は,すでに国連の13のテロ関連条約すべてに加盟していて,それに必要な国内法の整備もしていて,テロの関するさまざまな刑事処罰法もある。
 テロ資金供与処罰法,テロ資金凍結法など,テロに対する備えは十分されている。 この277の計画罪を作る必要はまったくない。

江川 紹子(ジャーナリスト)
 木村弁護士の話は,テロ対策ではなくオレオレ詐欺対策の話だ。
 たとえば地下鉄サリン事件の前に共謀罪があれば防げたと言う人がいるが,そんなことは防げなかったというのは,当時の警察庁長官である国松さんも防げなかったと認めている。
 テロ対策というのであれば,いちばんたいせつなことは 過去のケースから教訓を学ぶことで,なぜ,地下鉄サリン事件が防げなかったのか。 ほんとうはくい止められたはずの坂本弁護士一家の事件〔1989年11月〕 が,なぜ,くい止められなかったのか。 要人テロである警察庁長官狙撃事件,これが未解決なのは,どうしてなのか。
 警察自体の問題を検証して,必要ならその部分を手当てする法制度をやるということ。
 もう1つは,水際対策としての空港の手荷物検査,税関の検査など保安検査。 成田空港では去年3割も辞めたという保安職員の不足の対策のほうが重要。

● テロ対策の効果はない
高山 佳奈子
(京都大学大学院 刑事法学)
 政府が挙げている2つの事例,テロ目的での航空券,化学物質の準備は,テロ資金提供処罰法の処罰範囲のなかに含まれているので,現行法で対処ができる。
 この法案によって新たにテロ対策として付け加えられるものが,ありません。したがって,この法案は,テロ対策の効果はない。

● 一般の人も捜査や処罰の対象
山下 幸夫
(弁護士)
 277の罪を対象犯罪にしたことによって,たとえば普通の市民でも適用されるような組織的な威力業務妨害罪などの罪名が入っている。
 先ほど説明もあったが,普通の団体であっても,活動内容が一変した場合には,共同目的が変わって組織的犯罪集団になり得るという解釈を示している。
 組織的な威力業務妨害をやることを,たとえば計画をしたという段階で,それを組織的犯罪集団という形で,普通の団体が扱われる可能性がある。
 そうすると,そこに所属している普通の構成員が,捜査の対象になる可能性がある。
 対象犯罪を広げたことによって,やはり非常にその可能性が出てきている。
 一般人も捜査の対象になり得る。
 団体が組織的犯罪集団に変わったかどうか,計画や準備行為があったかが,捜査の対象になる。
 一般の団体であっても組織的犯罪集団になり得る,とした。 そこに所属している構成員は,やはり捜査の対象。 とりわけ,尾行,監視の対象になる。

高山 佳奈子(京都大学大学院 刑事法学)
 一般の人が対象になることはほぼあり得ないとされる事実的な根拠がありません。
 集団の性格が犯罪的なものに一変したと判断された場合には,摘発の対象になるので,一般の人が巻き込まれる心配は十分にある。
 テロと関係のない犯罪類型が,非常にたくさん含まれている。

 国会の議論のなかでは,スマートフォンを持って写真を撮りながら歩いていたら疑われるとか,双眼鏡と地図を持っていたらダメだとか。
 私たちの議論のなかでは,著作権法違反の計画として楽譜の違法コピーをするのではないかとか,パロディなどの二次創作で著作権侵害があるのではないかとか,実際に侵害を行ったということではなく,計画段階プラス何らかの行為があれば,対象になってしまう。
 これは,一般の人が巻き込まれる。

● 市民が捜査・調査の対象となることでの萎縮効果
江川 紹子
(ジャーナリスト)
 たとえばオウムの場合では,どの段階で一変したと判断するのかという議論は,国会ではされていなかった。 政府はまだ説明していなかった。 過去の具体例から,説明すべきだと思う。
 井田先生と門田さん,非常に良心的で現実的な説明だと思う。
 ところが,政府の説明は,非常に非現実的な説明が多くて,その最たるものは,金田法務大臣は 「一般人は捜査の対象にならないどころか,捜査以前の調査の対象にもならない」 と言っている。
 でも,組織的犯罪集団のメンバーは,「組織的犯罪集団のメンバーですよ」 ってステッカーを付けて歩いているわけではない。
 調べてみないと分からないので,当然,一般人が捜査や調査の対象になる。
 警察庁も,何度も今回の国会に出て来て,そのことを何度も聞かれて,一般の人が捜査の対象にならないとは,言わなかった。 当然ですよ。そんなことしたら,手足縛るようなものだから。
 そういう現実的でない答弁を(政府が)しているから,これは問題なんだと思う。

● 「内心の自由」を侵害する
高山 佳奈子
(京都大学大学院 刑事法学)
 今までの日本の国内法の原則としては,危険な物とか危険な手段が登場して 初めて処罰の対象にしてきた。
 単に合意をしたということだけで,頭のなかの中身を共有したということだけをもって 犯罪の処罰対象と見る制度は,日本では認められてこなかった。

 私も刑事法研究者なので,ほかの研究者たちと集団で居酒屋で犯罪の手口について話すようなことがある。 これを,まったく知らない人たちが見れば,「あそこのグループは犯罪の手口について話し合っているぞ」という通報がいくかもしれない。 そうしたら,捕まってしまうかもしれない。 そういう法案である。 危険だと思う。

山下 幸夫(弁護士)
 「計画」については,かつての2005年,2006年の国会審議のなかで,これは共謀についてだが,「黙示の共謀」「暗黙の共謀」というものがあると。 目くばせでも,共謀が成立するという議論があった。
 すなわち関係者のなかで言葉を交わさないで,暗黙のうちに計画をすると,これは心のなかを読むことにひとしい。

 しかも,組織的威力業務妨害のような,警察から見て,これが組織的な威力業務妨害であると,その計画をしていると,警察が判断することによって,実際には何も言葉を交わしていない,何も合意していないのにもかかわらず,それがあたかもそのようなものの計画があったかのようにして扱われるということは,やはり,内心の自由を侵害する。

江川 紹子(ジャーナリスト)
 組織的犯罪集団には「内心の自由」はないとか,集団として事件をやった人を前提に話しているが,そもそも組織的犯罪集団なのかどうか,そのメンバーなのかどうかは,なかなか分かりにくいところへもってきて,たとえばそれで有罪になることはないかもしれないけれど,それで家宅捜索されるとか,あるいは家宅捜索される可能性があるのではないか。
 そういうことがあると,やっぱり市民のアクションは委縮しがちになっていくんじゃないか。  逮捕までいかなくても,いろんな捜査機関が情報収集を行っていて,たとえばそれが政権批判に繋がっていて,効果的な効果を表すということになると,今度は捜査機関が収集した個人のプライヴァシ―がオープンにされちゃったりしてしまうことがあるのではないか。
 前川・前文科次官の,実名で証言を行うために,個人の情報が新聞に出たことは,そういう心配を非常に現実的なものにした。

● 捜査権の濫用 = 歯止めがない任意捜査
高山 佳奈子
(京都大学大学院 刑事法学)
 現に,冤罪事件とか,不当な人権侵害にあたる事件が,年に何件も起こっている。
 この法案は,新しく 277の犯罪類型を設け,しかも,実際に危険な行為を行ったことを要件とせずに,計画・準備段階で摘発を可能にするものなので,濫用が行われなかったとしても,きわめて広い範囲で捜査権限がおよび,そして冤罪などの恐れも飛躍的に高まる。

江川 紹子(ジャーナリスト)
 もちろん優秀な警察官もたくさんいて,オウム事件の場合も,地下鉄サリン事件のあと素晴らしい捜査をした人たちは,たくさんいた。
 ところが一方で,志布志事件のように,事件をでっち上げる警察官もいたり,村木厚子さんの事件のように,証拠を改ざんする検察官も,現にいた。

 法律や制度を作るときには,適正にやるだろうという期待はしたいけれども,問題があったらいけない,問題があるということを前提にして 考えなければいけない。
 おそらくこの法律ができると,警備・公安畑の警察のほうが相当に活用するんじゃないか。 そのときに恣意的に対象を選んで,調査や捜査を行う可能性は,深刻な問題だ。

 よく,司法がチェックするから大丈夫だと言うが,これは甘い。
 とくに捜査段階で,令状の却下率。
 逮捕状で,0.06%。
 捜索差押え令状では,0.04%。
 令状請求のときには,令状が欲しい捜査機関が,これが必要だという資料だけを提出しているので,そういう結果になるので,歯止めにはならない。

山下 幸夫(弁護士)
 処罰を早期化するとともに,捜査も早期化される。
 277もの計画罪を作ることになると,その分やはり警察の捜査がその277の どれかにあてはめれば,ある特定の団体の構成員の行動が計画罪に当たるとして,警察がその嫌疑があるとして,任意捜査,尾行等をすることが可能になる。
 捜査ができる段階が早まり,捜査ができる範囲が広がるわけだから,警察の捜査権限が拡大することは間違いない。
 濫用の恐れ。 とりわけ任意捜査は令状主義が採用されていないので,勝手に警察の判断で,できる。 これについて歯止めがない。
 そして今回の法案では,どの要件も 曖昧。 組織的犯罪集団とか準備行為とか,どの要件も曖昧であって,非常に濫用の恐れのある,恣意的な適用の恐れのある規定になっているために,歯止めがない。 そこが最大の問題だ。

(NHK ; 法案が衆院通過の前に「取調べの際の録画・録音のあり方を検討する」と盛り込まれたが,どうか)

 これは,あくまでも逮捕したあとの話であり,そもそも逮捕するかどうかについての権限の濫用については,歯止めにならない。 ないよりはマシだろうが,逮捕,強制捜査,その前の任意捜査についての歯止めを作ることが必要だ。

治安維持法
1925(大正14)年。国体の変革,私有財産制の否認を目的とした結社の組織,これへの加入,その指導などを取り締まる法律。 極刑主義を採る,第2次大戦前のもっとも厳しい治安立法。 1928(昭和3)年改正。 1941(昭和16)年全面改正。 1945(昭和20)年廃止 〕


高山 佳奈子(京都大学大学院 刑事法学)
 5月18日に国連でプライヴァシー権の調査・報告を担当している特別報告者 (ジョセフ・ケナタッチ氏) から,日本の安倍首相宛てに,今般の法案でプライヴァシー権の保護が十分に図られる制度が盛り込まれているのか,国会の審議のあり方がどうなっているのかについて,質問を含む書簡が送られてきている。
 これに対して,日本政府は回答せず,抗議をするという形になっている。
 この対応の拙さが,海外メディア,ロイター,AP通信,ニューヨーク・タイムズ,ワシントン・ポストなどでも指摘されている。
 国際的な批判があるという現状。

● 29日からの参議院審議に向けて
江川 紹子(ジャーナリスト)
 現実に立った審議をしていただきたい。
法律は,成立すれば現実の社会に適用されるわけだから,一般人が調査の対象にもならないなどという非現実的なことではなくて,現実に立って,277の1つひとつに,ほんとうにそれが必要なのか。メリットとデメリットをていねいに比較考量しながら審議をしてほしい。
 今までの法律とちょっと違って,計画段階で処罰をしようということだから,いわば刑事司法の文化が変わる。
 何時間審議したから,ということではなくて,ほんとうに慎重に現実的な議論をしていただきたい。

山下 幸夫(弁護士)
 (審議)時間ではない。 20時間やればいいということではなくて,今回これだけ国民のあいだにいろんな懸念を生じている。そして十分な説明がされていないと,国民は感じているわけだから,時間をかけてじっくりと,そしていろんな方の意見,参考人の意見を詳しく聞くとか,国連の特別報告者の意見を聞くとかを含めて,時間をかけてじっくり議論して慎重な審議をお願いしたい。 この国会で成立させなければならないという緊急性はない。 じっくり議論をしていただきたい。

高山 佳奈子(京都大学大学院 刑事法学)
 対象犯罪277の選び方が,きわめて恣意的で,国連条約の趣旨にも反している。
 すなわち,警察の職権濫用,暴行陵逆罪のような,公権力に対して不当な影響力を行使しようとする罪,公職選挙法違反,政治資金規正法違反,政党助成法違反の罪は,全部,対象犯罪から除外されている。
 また,組織的な経済犯罪であると考えられる民間の商業賄賂罪,独禁法違反。 お金持ちしか犯さないと考えられる相続税法違反などの犯罪が,対象から除かれている。
 これが,どういう理由でこういうことになっているのか。 今まで法制審議会でも審議をされていないし,国会でも十分な議論がない。
 ぜひこれを徹底的に議論していただきたい。

 国際社会から疑義が出されているので,日本の国際的な信用,これからの国際関係,拉致問題をはじめとするほかの人権問題の解決に国際社会からの支援を得るためにも,分かりやすい形で国民に示す,また国際社会にも説明していく責任があるのではないか。 これからそれが課題だと思う。

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