改正法の実効性質す/参議院議員 森ゆうこ 生活の党 代表代行

参議院議員森ゆうこ
生活の党・代表代行
法務委員会
質疑
画像  

参議院 法務委員会
2013年5月30日(木)

予定10:55~11:10
法務委員長
草川 昭三





参議院 インターネット審議中継
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【 質疑案件 】

§ 刑法等の一部を改正する法律案
§ 薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律案


平成25年5月30日 参議院法務委員会
質疑通告要旨

① 今回の法改正による刑の寛刑化又は厳罰化の懸念について(法務省)
② 保護観察対象者の増加に対応した保護観察官の増員及び専門性の向上に
ついて(法務省)
③ 社会貢献活動の目的と期待される効果について(法務省)
④ 薬物事犯者の処遇と関係各所との連携について(法務省・厚労省)
⑤ 女子受刑者に対する処遇等について(法務省)

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委員長 ; 森ゆうこ君。

参議院議員 森ゆうこ
 生活の党の森ゆうこでございます。

 改めて,今回の法改正によって,全部実刑,一部執行猶予,全部執行猶予ということで,既に議論はなされているんですけれども,議事録を見ましても,この分水嶺がどこになるのかという事が,なかなか理解しづらいというふうに思っておりますので。改めて,この分水嶺がどのようになるのか。

 また,これは,刑を厳罰化する事になるのではないかという疑問が,前の審議でも指摘をされておりました。その点について,もう一度確認をさせて頂きたいという事と,裁判官に限らず,検察官や弁護士の訴訟活動にも影響が出て来るのではないかと。
 改正の趣旨について関係機関との情報の共有化を努めるとともに,施行状況を把握する必要があるというふうに思いますけれども,この点について,基本的なお考えを分かり易く,ご説明いただきたいと思います。


委員長 ; 谷垣法務大臣。

谷垣禎一 法務大臣
 若干ちょっと答弁が長くなってしまうかも知れませんが,今回のこ『一部執行猶予制度』これは,施設内処遇に引き続いて,必要そして且つ相当な期間,執行猶予の取消しによる心理的強制の下で,社会内処遇を図って,実施して,そして再犯防止,改善,更生を図る,という事が主旨で御座います。

 そういった観点から,この法律案では,犯情の軽重,それから犯人の境遇,その他の情状を考慮して,刑事責任の観点から相当であり,更に再び犯罪をする事を防ぐ為に必要且つ相当であると認められる時,といった要件の下で,刑の一部の執行猶予を言い渡すことができるものとしております。
 したがいまして,裁判所が刑事責任の軽い,重い,等々から見て,一部でも実刑を言い渡すことが相当でないものについては,今までと同じように,刑の,全部の執行猶予の判決を言い渡すことになる,と。こういう事だろうと思います。

 他方,その刑事責任の軽い重い,軽重を踏まえつつ施設内処遇に引続き十分な社会内処遇を実施して,再犯防止,改善,更生を図ることが必要且つ相当である,というものについては,一部執行猶予を言い渡す。こういう事が考えられる所で御座います。

 それから,法令の定めに依り執行猶予を付し得ない場合は勿論で御座いますが,刑事責任が重大で,刑の一部でも執行猶予をすることが再び犯罪をすることを防ぐために必要ではない,または,相当ではない,こういうものにつきましては,全部実刑の判決を言い渡すこととなる,と。
 ちょっと,やや概括的で御座いますが,こういう事だろうと思います。

 しかし,あのお,こういった要件の判断に当りましては,裁判所において刑事責任に見合った科刑の実現という観点。それから,被告人の再犯防止,改善,更生を図るという,ま,いわゆる特別予防の観点から,事案ごとに個別的事情を勘案して,その該当性を判断することになりますので,ま,一律に示すのは実質,なかなか,今お問いかけで御座いますが,難しいなと。まあ,概括的に申し上げると今のような事になるのかな,という事で御座います。

委員長 ; 森ゆうこ君。

参議院議員 森ゆうこ
 実際の施行に当っては,今,色んな点でそれぞれ判断しなければならないという事ですから,改正の趣旨について今後とも関係機関との情報の共有化に努めて頂きたいというふうに思いますし,施行状況を充分把握する必要があるという事を,改めて指摘をさせて頂きたいと思います。

 次に,薬物事犯者の処遇等,関係各所との連携について伺います。
 昨年10月より施行されております『新たな薬物事犯者に対するプログラム』や『地域支援ガイドライン』について,施行の現状はどのようになっているでしょうか。また,施行する中で,問題点や改善点等は出て来ているのか。関係各所との連携はどのような状況になっているのか。本格実施の時期は,いつ頃を考えているのかを伺いたいと思います。


委員長 ; 谷垣法務大臣。

谷垣禎一 法務大臣
 えー,昨年10月か『薬物事犯者に対するプログラム』或いは『地域支援ガイドライン』というのが,あるわけで御座いますが,まず,規制薬物全般に対応できるように,新たに『薬物処遇プログラム』というのを開発致しましたが,これについては一部猶予制度の施行に先駆けまして,昨年の10月から覚醒剤事犯者を対象として全国の保護観察所で実施しております。

 それから『地域支援ガイドライン』これは案で御座いますが,これに基づく施行事業などにつきましては,あのう,医療福祉機関と各保護観察所との間で協議を行ないまして,平成24年度に23の保護観察所で実施をしておりまして,本年では34の保護観察所に拡大して実施しているという事で御座います。

 それから,問題点や改善点につきましては,本年度,薬物依存治療の専門家等を構成とする研究会というのが御座いますが,ここにおきまして実施状況を検証しまして,プログラム実施体制や医療或いは福祉機関との連携のあり方も含めて整理検討する事としておりますが,当面,『薬物処遇プログラム』につきましては,実施対象者を覚醒剤事犯者だけではなくて,大麻などの薬物事犯者全体に拡大して実施して行こうと。
 それから,『地域支援ガイドライン』の案につきましては,医療,福祉機関等々の更なる連携に努めまして,これを全国50の保護観察所にまで拡大して実施して行く事が,それぞれ課題ではないかと考えております。
 先程お話しした専門家等構成員とする研究会で問題点や改善点を整理検討して頂いて,その協議内容を踏まえまして,『刑の一部の執行猶予制度』の施行までに本格実施をする事として行きたいと,こういうふうに考えております。

委員長 ; 森ゆうこ君。

参議院議員 森ゆうこ
 そこで,厚労省からも来て頂いていると思いますので質問させて頂きたいと思います。
 昨年の第180国会の法案審議。この法案審議におきまして,西村厚生労働副大臣が「当事者や有識者などから構成する検討の場を,今年の秋」つまり昨年(平成24年秋)ですけれども,「目処に立ち上げるべく準備を進めており,地域における医療や社会復帰支援のために必要な施策について更に検討を行なっていきたい」というふうに答弁をされていますが,その後,厚労省としてはどのように対応しているのでしょうか。


委員長 ; 厚労省・岡田障害保健福祉部長。

岡田太造 障害保健福祉部長   
 お答えさせて頂きます。あの,アルコール,薬物,それからギャンブル等の依存症は,適切な治療と支援に依って恢復が充分可能な疾患である一方,依存者が必要な治療を受けられないっていう現状がありまして,具体的な対策の検討が,非常に重要な課題だというふうに認識しております。こうした状況を踏まえ,また,御審議頂きます法案の動向なども踏まえまして,昨年11月から有識者や当事者などによる検討会を開催致しまして,今年の3月に今後の依存症対策の方向性などについて,報告書が取りまとめられた所で御座います。

 報告書が挙げる今後必要である取組みと致しましては,本人や家族が気軽に依存症に関する相談ができる体制の整備。医療機関,行政,自助団体の連携体制の整備。依存症者が必要な医療を受けられる体制の整備。当事者の状況を見た恢復プログラムの整備。地域における本人や家族の支援体制の整備。を,柱に掲げまして,各御報告について具体的な提言がなされている所で御座います。
 今後この報告書の内容を踏まえまして依存症対策の更なる推進を図って行きたいというふうに考えている所であります。

委員長 ; 森ゆうこ君。

参議院議員 森ゆうこ
 有機的に各関係者が連携をして,実効性のある施策をさらに進めて頂きたいと思います。
 女子受刑者に対する処遇について伺います。
 女子の刑事施設の収容率につきましては,既決が108.7%と,収容定員4,340人を,約1割上回る状態が続いております。
 また刑事施設の職員1人当たりの被収容者負担率は,平成10年の3.04から,18年には4.48まで上昇し,23年も3.68と高い水準にあり,女子施設の負担率は3.78となっております。

 本年3月,堂本暁子・元千葉県知事らが女子受刑者の処遇改善などを求める要望書を,谷垣大臣に提出をされておりますけれども,大臣は女子刑務所の現状をどのように認識しておられるでしょうか。
 また,この堂本さん達の要望書に対してどのように対応して行くお積もりでしょうか。


委員長 ; 谷垣法務大臣。

谷垣禎一 法務大臣
 あのお…今の女子刑務所の現状は,森委員からお話がありましたように過剰収容も,御座います。それから高齢化もそうとう進み,色んな問題点が御座います。そういう中で非常に今,女子受刑者の処遇をどうして行くかっていう事は,よく研究して対処しなければならない問題だと思っておりました所,3月27日に,堂本・元千葉県知事が私の所にお出でになりまして,提案が,あのお,要望書と申しますか,提案を頂きました。

 その中には,女子受刑者の特性に応じた環境整備を図る,環境整備或いは処遇改善が必要ではないかといったような御意見。それから,女子刑務所の適切な運営。これは,色々な,女子職員等々のあり方も含めて,御提言を頂いたわけで御座いまして。女子刑務所のあり方研究委員会として,これから色々研究をして頂けると言う事で御座います。

 大変,私は,タイムリーな御提言を頂いていると思っておりまして,法務省としても,こういった研...あのお...堂本さん,元知事...あのお...達がやられる研究に,何て言うんでしょうか,できる限り御協力をして,あのお,それを,その御意見を踏まえながら,女子刑務所のあり方等を改善して行く事ができたらと,このように考えております。

委員長 ; 森ゆうこ君。

参議院議員 森ゆうこ
 すでに昨年の犯罪対策閣僚会議の「再犯防止に向けた総合対策」におきましても,女性の受刑者や,少年院在院者には,過去の被虐待経験や性被害による心的外傷,摂食障害の問題等を抱える例が多い事が指摘されているとして,女性受刑者や少年院在院者において特徴的な問題に着目した指導,支援を充実させる必要があると。
 
 こういうふうに結論が出ているわけですので,先ほど申し上げました,現状での被収容負担率では,その女性受刑者の特性に応じたきめ細かな施設内処遇を行なう上で,問題があると。既にその事は指摘をされているとふうに思います。
 したがって,研究をして頂くと言う事は結構なんですけれども,すぐさま,やはり対応を講じるべきではないか,というふうに思いますので,もう一言,その点についてご答弁を頂きたいと思いますし,さらには,平成23年における入所受刑者の罪名別構成比を見ますと,女子では『覚醒剤取締法違反』が,最も高い。薬物依存の恢復支援としてダルクの果たしている支援・役割というのは大きいんですが,やはり女性専用施設の少なさが指摘をされております。

 今回の法改正もございますので,女性薬物事犯者の施設内処遇及び社会内処遇の現状と法施行を見据えた対策をきちんと取るべきであるというふうに考えますが,この点も併せて,ご答弁を頂きたいと思います。


委員長 ; 谷垣法務大臣。

谷垣禎一 法務大臣
 あのお,今,森委員から女子刑務所の問題点も色々御指摘を頂きました。早急に取組まなければならない事が多いのも事実で御座いまして,あのお,やはり女子刑務所で御座いますから,刑務官も女子が中心になってやらなければならないわけで御座いますが。あのお,育児,或いは産前産後の休暇であるとかですね,言うような事が,男性の刑務所と違う問題として御座いまして,欠員は,ある意味では,恒常的になっている所が御座います。そういう意味で新陳代謝も激しいと言うような所が御座いまして,そうしますと初任者研修等々やるという様な事になると,なかなか,ある程度職員は増えて来ておりますけれども,実際の実員と言いますか,そう言うものにかなり追われていると言う面がある事も事実で御座いまして,そういう事も踏まえ,また,そのお,女性受刑者の場合には男性の受刑者の場合と違う色んな問題,心理的な問題もあると思いますし,例えば,摂食障害というようなのを,私も聞きますと,男性受刑者の場合にはあんまり摂食障害というような事がないようでありますが,女性受刑者の場合にはそういうような事があると言うと聞いておりますので,色んなそういう事も含めた対応を考えなければならないと思います。

 それから,確かに女性受刑者の場合には,薬物依存と申しますか,これが,極めて『覚醒剤取締法』を中心に多い。これは事実で御座いますので,今,刑事施設ではですね,こういう薬物依存がある受刑者に対しては,自分がどうしてこういう薬物使用になったのかという問題点を,まず自分で良く理解して頂くと言う事が必要で,そういう上で,再使用に至らない,その色々な具体的な方法を考えさせると。というような事で,「薬物依存離脱指導」と言うのを実施しているわけで御座いますが,森委員が,お触れになったダルク等々,大変力を入れてやって頂いておりまして,そういった所の御協力を頂きながら,やって行ってるわけでありますが,先ほど申し上げましたような,女性の,まあ何て言うんでしょうか,女性の特性に応じた新たな処遇プログラムと言うものも,これから更に整備をして行かなければならないと思っております。

委員長 ; 森ゆうこ君。

参議院議員 森ゆうこ
 もう時間ですけれども,やはり今回の法改正,これを実効あるものにするためには,きちんとした支援体制を構築する事が,何よりも重要だというふうに思いますし,保護観察対象者は,必ず増加する,という事だと思いますので,この,現場の保護観察官の増員。これをきちんと,計画的に図らなければならない,と。
 既に現場で,さまざまな声が上がっておりますので,このあと井上委員が詳しく質問されるというふに思いますけれども,私も同様に,この現場の人的体制をしっかりと強化すると。それから、先ほど申し上げました,女性の薬物依存から回避するため,恢復の支援の体制を強化しなければならないという事を,強く,その事を要望致しまして,質問をお終わりたいと思います。有り難うございました。


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◇ 関連

参議院議員 森ゆうこ生活の党・代表代行
/ 明日30日・質疑インターネット中継
2013/05/29 02:42
http://4472752.at.webry.info/201305/article_44.html


◇ 参考

ダルク:DARC 全国ダルクほか,川崎,東京,大阪などがあるそうだ。
Drug Addiction Rehabilitation Center(薬物 病的依存 回復 施設)

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