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zoom RSS 「ホリエモンのヒトラー・T-シャツ」 NHKは公共放送としての役割を完全に終えるつもりか

<<   作成日時 : 2017/07/17 16:35   >>

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阿部 謹也 「 単なる知識の効力には制約がある 」

 ホリエモンのヒトラー・T-シャツをNHKの1番組の中だけの問題に矮小化するな。
 まずこれは,T-シャツのデザインの問題なんかじゃない。 賛否両論が成り立つ問題なんかじゃない。
 いったいどこが,ブラック・ジョークだ。
 ましてや 「反戦の風刺」 なんかじゃない。
 ふざけるな。
 これほど腐り切った堀江氏の振舞いに,「炎上した」 というだけの報道で済ませようとしている,あらゆるマスメディアでご活躍中の御仁たちには,つくづく絶句する。

 けれど,黙っているわけにはいかない。
 
 これは,現代の世界の常識と大きくかけ離れたことが日本では容認されている事実があるとして,すべての日本人が断罪されかねない問題だ。

 1995年2月に廃刊となった雑誌 「マルコポーロ」 の事件を思い出すまでもない。
 このとき文藝春秋自体も潰れなかったし,日本国も潰れはしなかったが,ホロコーストを 「なかったこと」 として特集した雑誌があったことで,50年間実は 「カミカゼ」 「トッコウ」 の心性を反省もせずに いまだに侵略国の汚名を返上できない恥ずかしい国という判定を受けたのではなかったのか。

 ここにまた,再び歴史に 「危険な 恥ずべき 日本人」 が上書きされる事態が始まっている。

 この「ホリエモン・ヒトラーT-シャツ」事件は,NHKが謝罪して済むだけの問題ではない。 ほんとうなら NHKが放送局として認可を取り消されるに十分なほどの問題だ。

 いやいや,NHKは公共放送としての役割を完全に終えるつもりか。


阿部 謹也 『 日本人の歴史意識 』
画像

第8章 西欧における歴史意識と歴史学
p.172 7行目途中 〜 p.174 1行目

 なぜ歴史の教科書ではその原理が支持できないことを示しているにもかかわらず、こうした解釈が生命力をもち、歴史的神話が繰り返し信じられ、支持者を見出すのだろうか。 このように問いかけてグラウスは次に歴史的神話と対抗する歴史学に目を向ける。 歴史家が芸術家や小説家に対して遅れをとっているのは当然のことである。 芸術家は過去の出来事を描く際に史料を好きなように加工し、経過を劇的に描くことができる。 マスメディアはこの傾向を映像と言葉によってさらに強めている。 こうして真理は常に敗れる。 真理を変えることはできないが、虚偽は常に状況に適応し、人間の日常生活に合わせているからである。

 グラウスは歴史的神話の勝利はある必要に支えられ、過去の宗教や哲学が無視してきた隙間に生まれているのではないか、学問も見逃し、正しく認識してこなかったものではないかという不安を隠せない。 歴史学は過去を裁かなければならないといわれたこともあった。 このような見方は二十世紀には完全に消えたわけではないが、支持する者は減っている。 過去を裁く役割を歴史家は今ではジャーナリストに委ね、検事や立法者、裁判官に扮することを認めているのである。 歴史学の本来の機能は文化の連続性とその動因の探求にあるように思われ、同時にそのときに支配的な意見や合言葉に訂正を加えることにあるように思われるという。 ネオナチの運動に対して繰り返し若者がナチを知らないという声がこだましているが、あたかも単なる事実の知識だけで何かが変えられるかのようである。 こうした主張をする者には、十九世紀後半の学校の教科書的知識は比較的十分であったのに最悪の事態を避けられなかったことを想起させねばならない。 要するに単なる知識の効力には制約があるのである。

 多くのの歴史家は単に過去を叙述するだけでなく、解釈し、説明しなければならないと考えている。 これは決して新しいことではない。 その際、長い因果関係を示すことで過去の出来事を説明できると信じていた。 つまり出来事の原因と結果を示すことである。 それは主として個人の決断によるものとされてきた。 二十世紀にはそのような因果関係の歴史は不評であり、単純な説明は歴史から消えていった。 二十世紀にはさまざまな手法が試みられたが、どれも十分ではなかった。 特に全体主義の解釈に関して歴史学は失敗してきた。 歴史家はアウシュビッツのような強制収容所の叙述ができず、その収容所を体験した歴史家でもそれを描くことができずにいる。

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◇ 報 道
http://www.huffingtonpost.jp/2017/07/12/nhk-gogonama_n_17461218.html
ホリエモンがヒトラーTシャツ着用でNHKが謝罪 ⇒ 堀江氏は「頭悪いな」 船越英一郎司会の「ごごナマ」出演
HuffPost Japan | 執筆者: ハフポスト日本版編集部
投稿日: 2017年07月12日16時46分JST
更 新: 2017年07月12日18時41分 JST

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