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zoom RSS 憲法に敵意を持つ人びとの集会に「憲法改正」のメッセージを送った安倍総理(5/5)

<<   作成日時 : 2017/05/08 14:52   >>

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5月4日(木)放送 TBSラジオ session22
「憲法施行から70年。安倍総理が改憲スケジュールを明言する中、いま議論すべき論点とは?」
荻上チキ×石川 健治×道下徳成×田中宏×高安健将


高安健将「憲法の大きな精神,権力を縛るという本来の機能を損なう論点が出ていることに懸念を持つ」
荻上 チキ ; 次にお電話でお話を伺いたいと思います。 『 首相の権限 』などの著書のある成蹊大学教授の高安健将さんです。 高安さん,今晩は。

高安 健将
 今晩は。よろしくお願いします。
 憲法に賛成・反対という,こういう二分法は,それこそ不毛だなと思っております。
 改革の方向性自体で,賛成・反対というのはまた変わってしまいますので,そういう二分法で議論が始まるというところ,とくに改革の賛成というところは方向性が全然違い得るので,賛成か否かというところで問い始めるのは,あまり望ましいことではないなと思っています。
 改革,変えるということが始まりますと,現状というものが置き去りにされていって思わない方向にどんどん変わっていくということは,あることなんですよね。 ですので,動くのか動かないのかというところで まず選択を強いることは,望ましいことではないなと思っています。

荻上 チキ ; 安倍総理は9条と,高等教育を引き合いに出したわけですが,高安さんはこの憲法論議で,どういった論点に着目をしていますか。

高安 健将
 やはり,自由の問題だと思います。
 憲法が本質的に,権力の主体を縛るためにあるわけですよね。 もちろん日本国憲法の場合には国民の義務ということも書いてあるわけですけれども,しかし憲法の大きな精神からして,権力をやはり縛っていくというところに大きなポイントがあるわけですけれども,今日の議論のテーマの多くが,権力を縛るほうの縛りを緩めて,むしろ国民のほうの自由を制約していくというような論点が提示されている。 もちろん 「新しい権利」 ということも出てきていますけれども,それは必ずしもメインのところにはなく,本来的な機能を損なうような論点が次々に出てくるというのは,懸念をしているところです。

荻上 チキ ; 国会議員のなかで改憲を主張する立場の方でも改憲をするんだったらまず行政改革のほうでの改憲。 つまり,適切に縛るといった形を議論してしてから国民に向けてと,順番があるんじゃないかと思うんですが,どうお感じになりますか。

高安 健将
 そうですね。 ほんとうにどういうところで必要なのか。 憲法を変えるということが必要な場合に,相当に現実を動かしていくことが難しいという状況が,人びとの側から出てくる。そのときに初めて動き出す問題なのかなという感じはしています。
 いろいろと政治が動きにくいというのは,そういう意味では,しっかりと制度ができているということだと思うんですよね。

 使い方が難しいということであれば,そこはやはりさっき仰ったような政治改革,行政改革とか,あるいは新しい慣習みたいなものを政治のプレイヤー同士が 新しい約束事を作っていく。 これは二院制の話を含んだりしますけれども,自分たちでどうやって使っていくのか。 そしてその正統性というのを人びとに問いながら,ある枠のなかでやっていく。
 政治システムについてはそういう面があるんじゃないかなと思います。

荻上 チキ ; たとえば民進党の枝野さんらが解散権の縮小といったような論点を出していますけれども,こういった点はいかがでしょうか。

高安 健将
 解散権は,議会が(内閣)不信任と言った場合に解散になる69条の解散と,それから天皇の国事行為という形になっているわけですけれど内閣が主体的に議会を解散できる。 大きく2つ考え方があるんだと思うんですけれども。

荻上 チキ ; 7条解散ですよね。

高安 健将
 7条解散です。 この7条解散というのは,文章を読むと7条解散を認めるのはちょっと難しいなというところもあるんだけれども,これまでのところ,しかし積み重ねで それは認めてきたところがあるわけですよね。
 それはなんでかと言うと,政権党のなかで,与野党のなかで解散のタイミングについてある種の暗黙の合意みたいのがあって 解散権が使われてきた。 そういう慣習のなかで使われてきたというところがあるんだと思うんですね。

 ところが最近は,解散権,権限があれば使っていいんだ,と。
 さらに,解散権については嘘まで吐いていいんだ,というような議論があって,これまでの使い方からするとちょっと踏み外している。
 そういうことから権力がまた1つ自由になっていく。
 その問題意識っていうのは分かるんですけれども,まず憲法を変えるっていう話を始めてしまうと,いろんなことが噴出してしまうわけです。

 それよりもまず,かりに解散権のことであれば,解散権の運用について,こういう形で議論をしていく。 政府が一方的に自分のタイミングで使っていいものなのかっていう議論を継続していく。 で,有権者がそういうのを見ていて,どういうふうにそれを考えるのか。
 そういう形で,むしろ今のやり方っていうものを整備していく考え方。 皆の考え方を一致させていく。 そういう方向のほうが望ましいんじゃないかなと思っています。

荻上 チキ ; まずは今できる議論を精一杯したうえでの憲法論議には,なってないということになるわけですね。

高安 健将
 そうですね。

荻上 チキ ; なるほど分かりました。 高安さん,ありがとうございました。

高安 健将
 ありがとうございました。

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石川 健治 「 日本国憲法は,解散権を69条に限定していると読むこともできる。 これは世界のトレンドにむしろ適合した憲法であり,改正ではなく 憲法の枠内でより良い統治を作っていくのが最優先の問題 」
荻上 チキ ; 解散権をめぐる議論,石川さんはどうお感じになりますか。

石川 健治
 高安さんに知っていただいたほうが良かったと思うのは,日本の議会制がモデルにしているイギリスが,解散権を制限する法律を作ってしまったということなんですね。
 これは,いろいろ連立政権の政権作りの際に起こっちゃったことではあるんですけれども。

荻上 チキ ; 議会の3分の2の同意があって初めて解散ができるという格好に,イギリスがしたと。

石川 健治
 そうですね。そういうことです。
 任期いっぱい 内閣ができるだけ維持できるように ということをやったわけですね。
 これは,政治状況に対して閉じた安定的な統治システムを作りたいというのが狙いだったわけです。

 この問題ってのは日本でも同様に議論されているところで,むしろ最近,枝野さん始めとしていろんな方が仰ってるわけです。

 とくに日本国憲法は,69条に限定して解散権を設定していると読むこともできる。 その意味じゃあ,解散権制限という,世界のトレンドにむしろ適合した憲法であったにもかかわらず,それをイギリス式に運用してきた。
 そのイギリスが,制限してきたというなかで,日本はどうするという形で議論されているわけです。

 これは結局,強過ぎる政府と,それから 弱過ぎるを政府を,両方作ってしまう今のシステムを,もう少し考えたほうがいいのではないか。与党ブロックがちゃんとできるか,できないかという。
 だから結局は選挙次第ですよね。 選挙で勝つか負けるかといったことで,政権のパフォーマンスが180度左右されるような,そういう閉じてないシステムは不味いのではないかという問題意識なわけです。

 ここら辺はもっと議論する必要があるんですが,しかしこれは本来は,先ほど高橋さんが仰ってましたように,運用とかあるいは慣習とかそういうことで政府を議会が作っていく。
 つまり,憲法の枠内でより良い統治を作っていくという話ですので,憲法改正によって枠づけることよりも,今の枠のなかでどうやって作っていけるかのことを まず考えるというのが最優先という問題だと思います。

荻上 チキ ; 最後に1通(リスナーからの)メールを紹介します。

南部 広美 ; ラジオ・ネーム カクタマスオさん から。

「 憲法というのは権力を縛るものだと思います。
そうであれば憲法を変えるタイミングというのは,主権である国民がそれを望んだときでなければならないのではないでしょうか。
しかし今の状況は,憲法によって縛られるはずの権力者や政権与党が 改憲をリードしているように思えてなりません。」

荻上 チキ ; 今の石川さんの話ですと,国民が議会をウオッチ=監視しながら,声を届けていきながら,改憲論議のあり方もリードしていくという方向に していくことが必要になるということですね。

南部 広美 ; 今夜は憲法学者の石川健治さんとお送りしました。 ありがとうございました。

石川 健治
 どうもありがとうございました。

荻上 チキ ; ありがとうございました。

< 了 >

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