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zoom RSS 憲法に敵意を持つ人びとの集会に「憲法改正」のメッセージを送った安倍総理(4/5)

<<   作成日時 : 2017/05/08 03:01   >>

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5月4日(木)放送 TBSラジオ session22
「憲法施行から70年。安倍総理が改憲スケジュールを明言する中、いま議論すべき論点とは?」
荻上チキ×石川 健治×道下徳成×田中宏×高安健将


田中 宏 「 憲法条文の “ 国民 ” という言葉を変えたほうがいい 」
荻上 チキ ; お電話を繋げます。 在日外国人の現状や法制度に詳しい一橋大学・名誉教授の田中 宏さんです。 田中さん,今晩は。 よろしくお願いします。

田中 宏
 今晩は。 よろしくお願いします。

荻上 チキ ; 憲法施行から70年,改めて どういったことをお考えになりますか。

田中 宏
 私は,ずっと外国人のことを係わってきたこともあるので,“ 国民 ” というのが多用されてるんですね,何でも。 「国民は法の下,平等」 あるいは 「国民は最低限度の生活を営む権利を有する」 とか,何でもかんでも “ 国民 ” なんですね。
 さあそれじゃ外国人はどうなるのっていう問題を,ずっと私は考えてきたんです。
 そのなかで,私がいちばん大きな刺激を受けたのは,中曽根元総理がやっている世界平和研究所が 2005年の1月に憲法改正試案というのを発表されてるんですけども,あんまり世間で議論されてないのがおかしいなと思うんですが,実はその改正試案を見るとですね,今の憲法の “ 国民 ” というのが全部 「何人(なんぴと)も」 とか,あるいは 「すべて人は」 に,変わってるんですよ。
 それはどういう形で起草したのか分かりませんけれどもおそらく基本的にはこの試案は,現行憲法が “ 国民 ” という言葉を多用していることが持っている問題点をきちっと払拭しようということで,「何人も」 とかあるいは 「すべて人は」 とか,わざわざ切り変えてる。 これは非常に大事だと思っていて,ついでにひと言いうと,此間の民進党の細野さんが雑誌に彼の改憲の意見を発表したんです。

荻上 チキ ; 「中央公論」でしたね。

田中 宏
 細野さんが出したものがどうなってるか見たら,やっぱり “ 国民 ” はそのままなんですよ。 全然いじってない。 それで,中曽根さんのあれを出してるのに,何で? というのが素朴な議論で,70年迎えたところで,そろそろ憲法が “ 国民 ” を多用していることが持っている問題をきちっと議論してほしいなあと,かねがね思ってるんですよ。

荻上 チキ ; 「国民は」 が 「何人も」 となることによって,具体的に日本国籍ではない住民の方にもさまざまな権利をという議論をするような素地になるということですか。

田中 宏
 まあ,そうですね。 二言目には “ 国民 ” ということで,たとえば社会保障なんかでもね,難民条約に入ってだいぶ変わりましたが,その前はたとえば公営住宅に入居できるのは日本人だけって 当時の建設省は 通達を出したりしてたんですが,それの説明を見ると,憲法25条の最低限度の生活を営む権利を有するのは “ 国民 ” だから 外国人は公営住宅に入れないんだという説明をしていた。
 二言目には憲法の “ 国民 ” というのが,そういうように誤用されてきているところがあるので,公営住宅なんかは国際人権規約に加入したり難民条約に入ったときにかなりの社会保障は全部切りかわるんですけどね。 今は,公営住宅に外国人も入れるし,国民年金にも入れるようになったし,それから児童手当ももらえるようになった。それは全部,批准したときに変わったわけで。

荻上 チキ ; 運用面でいろいろと変わると言うよりは,安定的に憲法に書き記す 1つの権利としたほうが。

田中 宏
 憲法ではっきりそうしとけば,少なくても自動的にというので,外国人を排除するということがなくなっていくだろうと思うので。 その点,中曽根改憲試案というのが非常に興味深いと思ってるんですけど,この間の憲法の議論のなかでまったくそれが話題にならないのは非常に残念だと,実は思っているんです。

荻上 チキ ; 中曽根さん自身も実は 「 押しつけ憲法 」 という論点にこだわりながら,このあたりは前面に押してないところもありますよね。

田中 宏
 そうなんです。 此間,集会に中曽根さんが出て発言したのを注意深く聞いていたんですがね,テレビではそこだけ流したのかもしれませんが,そのことを ひと言 いえばなあと思ったんですけれどね。 せっかくあれだけ全部ね,現行憲法の “ 国民 ” を全部切りかえてるんだから,憲法上の “ 国民 ” という言葉の使い方を,やっぱり変えたほうがいいってことを,ひと言彼がいってくれるといいなと思ったんですけれども。

荻上 チキ ; これから 社会も変化しているなかで,そうしたことは検討の余地があると 田中さんはお考えになっているわけですか。

田中 宏
 そうです。 少子化が進んで外国人のたすけを借りなければ 社会がまわらなくなってきているわけですから。 介護してもらうのは,ひょっとすると日本人じゃないんじゃないかと思ったりしてるんです。

荻上 チキ ; そういった観点の議論も他にあると。

田中 宏
 そうですね。 僕はそれをぜひ憲法の議論のなかに加えて欲しいなと思っている。

荻上 チキ ; 分かりました。 田中さん,ありがとうございました。

田中 宏
 はい,どうも。

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石川 健治 「 中曽根試案は,初期から存在する論点を口実にして 憲法改正に持ち込もうとする,為にする議論が書かれている 」
荻上 チキ ; 今回,自民党総裁主導で出された論点以外にも,いろんな論点があるといううちの1つをお話しいただいた。
 石川さん,今の田中さんのご指摘,いかがですか。


石川 健治
 まず,お気持ちは非常によく分かって,田中先生ずっと頑張ってこられて,最後は憲法でやはり後押ししてほしいというお気持ちは,よく伝わってくるんですね。 いろいろな手を尽くしてみたけれども結局なかなか上手くいかなくて,最後は憲法を頼りにするしかないという気持ちは分かるんですが,この中曽根さんの世界平和研究所の試案を,率直に言って 持ち上げ過ぎているというのが,いちばん大きな印象です。

 と申しますのは,この中曽根さんの試案というのは,憲法には変えることがたくさんあるんだということを印象づけるために,作られてるわけなんですね。 とにかく,いたるところに変えるところがあると。

 たしかに国民が主語になっている現在の憲法の条文の書き方の問題は,早くから問題にされていて,たとえばドイツなんかですと 「国民」 というのと,中曽根ふうに言えば 「何人も」 ですね,これを意識的に使い分けて,ドイツ国民に限られた話と そうでない話を,書き分けてるわけなんです。
 日本の場合は,書き分けてないわけですね。ですからたとえば 14条なんかは,人間は皆,法の下に平等であるはずなのに国民に限ってるのはおかしい。 「何人」のほうがいいんだみたいなことは,議論としては早くからなされてるわけですよ。

 そうやって,ごく初期から存在する論点を,いわば口実にして 憲法改正に持ち込もうとする,率直に言って 為にする議論が書かれているので,お気持ちは分かりますけれども,あまり持ち上げ過ぎるのは いかがなものかというのが,率直なところなんですね。

荻上 チキ ; 「住民」と「国民」との書き分けも中曽根案では,なかなかされていない。

石川 健治
 そうです。

荻上 チキ ; 憲法論議として,田中さんのように普段から外国人の権利問題を議論したうえで,今のなかではなかなか難しいという。 じゃあ憲法だという,この手続きそのものは,憲法の限界まで議論したうえで書きつけるのは,このルート自体は,けっこう素直なルートではあるわけですよね。

石川 健治
 素直は素直なんですけど,解釈上すでに解決がついている問題が多いんですよ。

 元試案だと思いますが,中曽根試案を見ていくと,たとえば現在の13条に加えて 「 前項の権利は権利の性質上制約される者を除き,外国人に対しても等しく保障される 」 と。
 これはまあ田中先生にとってうれしい条文のように見えるかもしれませんが,これはもうすでに判例によって確立している法理ですし,むしろ 「 権利の性質上 」 という言い分で,結局は外国人に対する権利は保障されないだろうということが 簡単に予想される条文になってます。

荻上 チキ ; たとえば憲法25条に基づいた生活保護の議論でも,最高裁の判決などがありまして,義務を国家,行政が負うわけではないが,当然ながら生活保護を払ってはいけない,払ったら違憲だということでは,当然ない。 そこを結構誤解しているようなところがあるなかでの,憲法論議の繊細さというものは,もっともっといろんな論点が知られる必要があるということですね。

石川 健治
 そうです。 はい。

< 続く >

憲 法
第14条 【 法の下の平等、貴族制度の禁止、栄典の限界 】

 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。A 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。B 栄誉、勲章、その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

第25条 【 生存権、国の社会保障的義務 】
 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
A 国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


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