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zoom RSS 多数決も正義ではないとするときノモス主権論は規範に寄りがちになるのか

<<   作成日時 : 2017/04/29 22:26   >>

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備 忘 録
立憲デモクラシー 連続講座 第U期 第6回
2017年 4月28日(金)

石川 健治 東京大学教授 憲法学
「 天皇と主権 信仰と規範のあいだ 」

❒ 尾高 朝雄 『 原始信仰の統制的作用 』
「 信仰は社会の経であり規範は社会の緯である。」
「 歴史は信仰と矩とを裡にしてその歩みを進めるであろう。 ただしき文化の建設はその時代に於てのみ期待し得べきである。」

1924年10月 謄写版(ガリ版)

尾高 朝雄
法哲学者(1899年1月28日―1956年5月15日)

❒ 主権 sovereignty (仏 souveraineté )
主権(国家統治の権力)

バタイユ G. Bataille
(1897年9月10日―1962年7月8日)
souveraineté 「 至高性 」 政治的にはよくない訳ではあったが,本質を表す

・ 「 絶対者 」(君主) ex. ルイ14世
絶対王政,君主制  法で縛ることのできない存在

・ 日本の国柄  君民共治 
絶対王制は,早くから日本の国柄に合わないと言われていた

・ 国民の sovereignty

❒ 日本国憲法における 「 天皇位の急変 」 〔欽定憲法から日本国憲法へ〕

明治憲法第4条 ―→ 憲法第1条〜4条
乖離の原因は天皇の「人間宣言」であり,天皇主権から国民主権へとまさに憲法論の 限界を超えた憲法改正があったとする

○ 明治憲法
天皇は至高の存在。 そして国民の考えが映し出される存在。

尾高 朝雄
意味的全体性 : 流動的。 その都度正しい方向を向いた良き統治。 皇国臣民=天皇の下に服せ。 皇民化運動のイデオローグとなる

井上 毅
(1844年2月6日(天保14年12月18日)―1895年 3月15日)
『 憲法義解(ぎげ)』
伊藤博文著の形をとる大日本帝国憲法 及び(旧)皇室典範の逐条解説書
天皇は臣民に対して責任を負う

美濃部 達吉
(1873年5月7日―1948年5月23 日)
「 天皇機関説 」 法のメガネをかけたとき,国体は消えてしまう

佐々木 惣一(1878年3月28日―1965年8月4 日)
国体「 統治権の総攬者 」

○ 戦後 象徴 Symbol(独)の訳語
人間象徴 ― 「神」格に替わる 「象徴」格 Symbol(独)の訳語
現人神(あらひとがみ)の代替的地位

諸外国の憲法典では,国の象徴として国旗・国歌が書かれてあることがある
日本では,象徴としての天皇 ― 思考のショート・サーキット=短絡

○ 天皇の「 御生前の御退位 」
天皇の行為 ―― 国事行為。 象徴としての行為。
2016年8月8日 お言葉
国事行為は,摂政が代われるが,象徴の仕事が忙しすぎる ―― 退位

○ 機関的地位との対比における象徴性の過剰
象徴の仕事 : ほうっておけば打ち捨てられかねない被災者,社会的弱者が排除されないように象徴的行為をしてきた

○ 「 象徴としての行為 」 というカテゴリー
清宮 四郎

(1898年5月23日― 1989年10月22日)
「 清宮説 」 天皇の行為の性質= 戦後も宮内庁を支配する
訳書 ハンス・ケルゼン 『 一般国家学 』

ハンス・ケルゼン
(1881年10月11日―1973年4月19日)
純粋法学。 法実証主義
国家を法で正当化する・価値づけることは倫理や政治の仕事であり,法は道徳などの価値規範および社会学的な事実性からは独立した概念であるとした

宮澤 俊義
(1899年3月6日―1976年9月4 日)
「 八月革命説 」 : ポツダム宣言受諾が大日本帝国の国体を否定したものとする
当初はいわゆる「押しつけ」憲法であるとして違憲論

❒ 国体
1935年 立憲主義憲法学の危機

❒ 普遍我
カント

(1724年4月22日―1804年2月12日)

フィヒテ
(1762年5月19日―1814年1月 27日)
「 ドイツ国民に告ぐ 」

筧 克彦
(1872年12月28日(明治5年11月28日)―1961年2月27日)
超克の理論。 「普遍我」の表現としての皇国体

❒ 「 存在権の抹殺と一億総活躍は両立する 」
○ 「権威国家」
ナチスの政治原理・権威主義に基づく国家
ナチス・ドイツ フェーベリン騎兵隊行進曲

○ 1941年 〜 日本国国家の解明を始める
尾高 朝雄
天皇主権説の否定 → 国家における全体性の構造を解明すべき
全体とは国家そのものではない
主権者は,意味的全体性の体現者であるが,天皇=象徴が存在する
部分は自律を求められる→ 国民が活性化することで全体が輝く
意味 ← 天皇 「象徴論 」


○ 「 全体 ― 中心 ― 意味 」
フッサール

(1859年4月8日 - 1938年4月27日)

○ 自治的自律性の尊重=自由権
美濃部 達吉 「天皇機関説論」 の復権

○ 憲法第13条 個人の尊重 国家からの自由
第一三条 【 個人の尊重と公共の福祉 】
 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。


○存在権の抹殺と 「 一億総活躍 」 は両立する
自民党・草案
第十三条  全て国民は、人として尊重される。 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。

❒ ノモス主権論は,信仰の天皇論を切ることができているのか?
○ 道義

道徳上の正義 = 平和  和霊(にぎみたま)
法律上の正義 = 力を伴わなければならない 荒霊(あらみたま)

樋口 陽一(1934年9月10日〜)
「 立憲主義と平和主義は衝突する 」

カール・シュミット
(1888年7月11日―1985年4月7日)
樋口 陽一訳 カール・シュミット 『 現代議会主義の精神史的状況 』他一篇
訳 者 解 説  p.159〜174
p.160
著者は議会主義の精神史的な基礎がもはや過去のものとなったとし、その認識を媒介することによって、議会主義と民主主義の連関を切断する。 その点で彼は、同時代の論敵 ハンス・ケルゼン (一八八一 ― 一九七三) が 『 民主主義の本質と価値 』 (〔第二版〕 一九二九年、長尾龍一・植田俊太郎訳、岩波文庫) で、議会制の 「危機」 と 「破産」 「苦悶」 に直面しながらも その 「改革」 を論じ、「議会制是非の決断は同時に民主制是非の決断」 と言い切るのと、対照をなす。

○ 「 力は正義ではない。多数決も正義ではない 」 とは?
昨今の政治の暴走について,「 力は正義ではない。多数決も正義ではない 」 とするとき,ノモス主権論は,信仰の天皇論を切ることができているのか?

法における政治の契機 ―― 政治は暴走してはならない
根本法 ―― 立憲主義

「 原始信仰の社会的統制作用 」 つまり 「 規範 」 に寄りがちとなっている?

❒ 政治の矩としての法
○ 矩 ノモス nomos basileus
戦後,矩をギリシャ語のノモスに置き換える

プラトン
(紀元前427年―紀元前347年)

ピンダロス
(紀元前6―5世紀)
「祝勝歌集 断片 169」 Nomos Basileus

nemein (区分する。配分する)
 ⇓
nomos (配分秩序)
 ⇓
公共の福祉
 国民は nomos 配分する責任を負っている : 憲法 第1条 国民主権

便法としての多数決

❒ 政治の矩としての法,根本法,ノモス
信と矩とのあいだの天皇
「 八月革命説批判 」 ―― 戦前・戦後の連続性
大正デモクラシー → 分散,反省の時代 → 安定性,柔軟性「正しき文化の建設」
信仰によって裏打ちされる矩

社会統制作用
日本の朝鮮侵略・統治 京城神社 同化政策

社会に内在するノモス : 世論などによって少しずつ動く
フェビアン社会主義 (社会改良主義 : マルクス主義の否定)
バランサーとしての天皇の浮上

❒ 『 信と矩 』

フロイト
(1856年5月6日―1939年9月23日)
『 トーテムとタブー 』

尾高 朝雄
『 20代の知性,50代の英知 』 1955年

◇ 参 考
立憲デモクラシーの会
http://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/

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◇ 関 連
立憲デモクラシー 連続講座 第 1回のメモ

2015年11月13日(金)

「 1億総活躍 」 思想の深層を探る
――佐々木惣一が憲法13条を「読む」――
石川 健治
東京大学教授 憲法学

http://4472752.at.webry.info/201511/article_11.html
石川 健治 「 国会召集を義務づける憲法53条の空文化=深刻な事態 」
(1/4)


http://4472752.at.webry.info/201511/article_12.html
石川 健治 『 憲法条文の中に「立て籠った」=条文を「読む」 佐々木惣一 』
(2/4)


http://4472752.at.webry.info/201511/article_13.html
石川 健治 13条の重要な部分は,前段 「すべて国民は、個人として尊重される。」
(3/4)


http://4472752.at.webry.info/201511/article_14.html
石川 健治 日本国憲法13条の2項目ごと抹殺しようとしている 「一億総活躍」
(4/4)


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