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zoom RSS 戦後ウヤムヤにされてきた日本の自衛隊と,南スーダンPKOと

<<   作成日時 : 2017/02/09 18:47   >>

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 実際には保管されていた「自衛隊ジュバでの日報」だが,2月8日衆院予算委員会でのその隠蔽とも疑われかねない発言が問題で,民進党は稲田防衛大臣の辞任要求を提出している。
 また,金田法務大臣が「 〔共謀罪について〕 成案を得て国会に提出した後に法務委員会で議論すべきだ」とした文書を出したことが 「行政府による立法府への介入」 だとして,4野党が辞任要求に向けた会談をしているという。

§ 私は「法文解釈ありき」に納得しない
 まず問題となっている稲田大臣の発言について,昨夜の荻上チキ SESSION 22 に電話出演した首都大学 教授の木村草太氏(憲法学)は,とくに「戦闘ではない」という部分について,法文解釈上の論理的整合性からは「稲田大臣がヘンなことを言っているとか,法解釈が誤っているということではない」と解説していた。

 けれど,人間の尊厳はおろか「国民の生活」にはほぼ興味のない安倍内閣の,しかも稲田大臣だからこそ,国会答弁の論理的整合を言われても,私はいささか鼻白むわけで,そしてまた,疑問をも持つ。
 学者は法文の解釈についての意見はあるとしても,現実の法執行あるいは外交政策執行について,それがはたして論理的整合性だけで「正しいか.間違いか」を誘導することは,いくぶん無責任なのではないかという疑問を持つ。
 国会が立法府だとは言え,内閣府は現実に法執行を行うわけで,国会答弁を単なる法解釈上の正当性に向かって収束させることにも,いくぶん無責任なのではないかという疑問を持つ。

§§ 戦後ウヤムヤにされてきた日本の自衛隊という軍隊の問題
 そもそもPKOに自衛隊を派兵することの議論が,日本では十分な世論形成をもとにして行われてきたのか。
 政府主導で自衛隊に「武力行使」させるのは,過酷事故で被害が出るまで原発政策を続けてきたことと似ている。

 自衛隊のPKO派兵を前提にした法整備が「9条解釈」すなわち「壊憲」として強行される背景にあるのは,ひとつには軍事についてのいわば無関心からではある。
 身も蓋もない言い方をするなら,戦後,本質的な憲法上の位置づけは曖昧なまま,しかも世論形成さえ不安定なまま,きわめて強力な武装を続けてきた自衛隊そのものとは何かがくすぶり続けているだけだ。

 では,南スーダンの首都ジュバで,日本の自衛隊はたとえばどれだけの民間人を,子どもを,救っているのか。
 木村草太教授は,それでも,以下のように意見を述べていた。


国際社会で非常に大きな問題になったことは,
南スーダンは非常に危険なので,国連で武器の禁輸措置をやろうとした。そのときに,日本政府がそれに反対をし,賛成票を投じなかった。
このことが,国内ではあまり報じられていない。

言葉尻だけではなく,南スーダンで今,日本が何をすることがいちばん良いことなのかを注目してほしい


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§§§ 荻上チキ SESSION 22 木村草太教授の発言要旨
以下 印 木村教授の発言要旨


 「戦闘行為を認めれば,PKO派遣の原則に反し,また憲法9条に抵触するから,認めたくない」という報道や感想が多かった

 稲田大臣が言ったことは,憲法9条に違反するような場所ではないが「戦闘行為」と言ってしまうと憲法9条に違反すると誤解されるので,「戦闘行為」という言葉は避ける。誤魔化しているということではなく,実態と違った理解がされないように言葉を厳密に注意しているということ。 ちょっと説明が上手くなかった。

○ 相手が国かどうかは,すごく大事なポイントなので,そこは言葉遊びではなくて,分けなくてはいけないことだ。

○ 憲法9条では,他の国,あるいは国に準ずる組織に対して実力を行使することは禁じられている。
稲田大臣も民進党・小山議員もそれは共通の前提としていた。


○ 日報には「戦闘」という言葉があるが,一般的な意味での「戦闘」であり,法的な意味での「戦闘行為」ではない。 だから大臣が「武力衝突」と答弁。

○ 南スーダン,昨年7月に首都ジュバで起きた「殺傷行為」が,誰と誰との紛争だったのか。
これはいわゆる内戦であって,国と国とが戦っているわけではない。
だから,国際的な武力紛争が起きているわけではない。
戦車などすごい武器を使ってはいたが,そこで国と国とが戦っていたわけではない。国家同士の戦いが起きていたわけではない。
自衛隊がそこに行っていたとしても,国際紛争の現場=国同士の戦闘行為の場所に自衛隊が行っているわけではない。
危険かどうかとは別の次元で,憲法9条に違反するということはないというのが,日本政府の考え方,稲田大臣の説明だ。

(荻上チキ氏 「戦闘」「戦闘行為」「武力衝突」言葉の使い分け=主体によって意味が違う,使い方が違う)

 現地の自衛隊の日報のなかで「戦闘があった」と書かれたようだが,これは,不注意な書き方ではあったかと思うが,日常用語として武器を使った戦いがあったことを表現するために使った。
防衛大臣が国会答弁の場で「戦闘行為があったようです」と言ってしまうと,憲法違反の派遣が行われていたというニュアンスで喋ったことになってしまう。そこで,実態と違っているのでそういう言葉を注意して避けたというのが稲田大臣の説明だ。

 国際法上の戦闘行為や武力行使の定義と,憲法9条を解釈するときの武力行使や戦闘行為の定義とは,ちょっと違っていて,国際法の先生などは「これは武力衝突だ,戦闘行為だ」と言うこともあるが,飽くまで今話しているのは,日本法のなかでの「戦闘行為」の概念なので,国際法の概念ともちょっと違っている。

 稲田さん自身が弁護士であり防衛大臣だから,自分にとっては当たり前の定義だが,国民の側にとって分かりにくい。

○ 小山展弘衆院議員は大事な質問をしていた。
昨年7月に首都ジュバであった「殺傷行為」について,ちゃんと日報を見て確認をしていた。「稲田大臣は,日報を見た上で国会答弁をしていたのか」
これは防衛大臣が現地の実態をきちんと把握していたのかどうか,という大事な質問
それに対して 稲田大臣は 「日報は確認していなかった」 と答弁したことは,かなり問題があったと思う。

○ 憲法9条が何を禁じているかということについての理解が,まだまだ国民のあいだに広まっていない。
本質とずれた,法概念の理解のすれ違いのようなところに,注目が集まってしまうのかと思う。

○ 小山議員も,揚げ足取りではなく,大事な問題を質問していた。
「南スーダンで大統領派と戦っていた相手は戦車などを使っている。 戦車まで持って武装している集団は国に準ずる組織だと言えるのではないか
稲田大臣「組織性とか土地の支配がないので国に準ずる組織とまでは言えない」

 ジュバ,南スーダンで起きていることは基本的に内戦であって,憲法9条との関係で問題になることはあまりないと思うが,内戦だから安全だということではでは全然ない。非常に危険な場所。

○ 日本ができること,自衛隊が貢献できることは,今自衛隊がやっていることに限られないと思うので,憲法9条とは別の観点で皆さんに関心を持っていただきたい。 自衛隊の方の安全のため,南スーダンの人たちのために何ができるかに,注目をしてほしい。

○ 国際社会で非常に大きな問題になったことは,
南スーダンは非常に危険なので,国連で武器の禁輸措置をやろうとした。 そのときに,日本政府がそれに反対をし,賛成票を投じなかった。
このことが,国内ではあまり報じられていない。


◇ PKO参加5原則
紛争当事者間の停戦合意が参加の条件
政府が定義する「戦闘行為」「国際的な武力紛争の一環として行われる,人を殺し,または物を破壊する行為」

 民進党・小山議員・質問 「南スーダンPKOの陸上自衛隊。 首都ジュバでの戦闘行為があったか」
稲田大臣・答弁 「事実行為としての殺傷行為はあったが,憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから,武力衝突という言葉を使っている」


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ブログ拝見しています。テレビでは報じないあらゆることを文字起こししてくださり感謝しています。私は、安倍政権に絶対してほしくない!と思うことは、自衛隊が他国で銃を持って戦うこと。過去の過ち、危険とわかっても、突き進んでしまう。稲田さんや政府がどんなに言葉でとりつくろっても、過去の過ちの一歩手前まできているなあと、文字起こしを見て感じました。我が家の上に防大があります。今入校が決まった子達と家族が説明会に参加。春になれば新入生が家の周りを、マラソンしている姿がみられるでしょう。安倍さん!この子たちの命を守るのは、安倍さんの役目です。世界でものが言えるようになったなら、早く日本のように、銃、核兵器を持たないで生きていける国をつくってほしい!と叫んでいただきたい。長々呟きましたが、暗い気持ちは、自衛隊をスーダンから撤退させるまで続きます。むっ?と思うとき、銅のはしごさんに会いにきます。正確な言葉で伝えてくださり感謝しています。お元気でいてくださいね。
まごを心配するおばあちゃん
2017/02/10 04:48
まごを心配するおばあちゃん 様
「過去の過ちの一歩手前」おっしゃるとおりと思います。
南スーダンの激しい戦闘については,ほとんど大マスコミは報じていません。しかも防衛大臣に報告がなかったなど,シヴィリアン・コントロールが機能していないと言えます。
こうした政治の本分をかなぐり棄てた状況のなかで,安倍総理はトランプ大統領と会談したいのかゴルフしたいだけなのか。
こんな総理と内閣には国家の安全保障を負託できるはずもありません。
そして現実には,お近くにある防衛大学校の未来ある若者たちが,まず最初の犠牲者になる可能性があるのですね。いつもそのことにフォーカスなさっていらっしゃることに敬意を申しあげます。
レイナ
2017/02/10 13:01

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