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zoom RSS 亡くなった中学生と,資本に隷属する社会システム

<<   作成日時 : 2016/03/11 16:37   >>

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§ 「生徒指導」「進路指導」という名の支配と統制

 昨年12月中学生が自殺していた。
 誤った記録をもとに、生徒が志望した私立高校への 学校長の推薦は できないと告げていた。 生徒は このことが親に伝えられた日に
(※)

 多くは,記録が誤っていたこと,それを根拠にした「指導」が良くない,「その学校が悪い」という論調で報道されている。
 しかし学校という名の閉鎖空間がときに軍隊と見紛う暴力肯定装置として機能し,そこでは「生徒指導」「進路指導」という名の支配と統制が日常的に行われているのではないかという深層に踏み込んだ論調は少ない。

 日本では18歳で人生が決められると言われてからどれほどの時間が経っているのか。
 ところが実は高校入試というふるいにかけられて,15歳で「進路」が決定する。
 であれば,18歳ではなく15歳で人生が決められるということではないのか。
 さて,高校に提出する「内申」に「非行歴」を記入するとは,たとえば1年生では「非行」があったが,その中学校で生徒を教育し指導した結果「改心」したとでも書くのだろうか。
 15歳は,できるなら親に深刻な相談をしたくない時期だくらいは,大人であれば容易に想像がつく。
 「内申」という名で人格否定や将来の人生そのものの否定にまで発展すること自体に怒りの声は少ない。
 1950(昭和25)年に42.5%だった高校進学率は2005(平成17)年には95.8%となる。(下部に◇ 参考資料
 個別に見れば,優しい先生や良い先生とか生徒の気持ちをわかる先生もいるのかもしれない。が,実は学校教育ほど曖昧な責任体系や構造で身動きできない場所も珍しい。
 文科省は何のためにあるのか。もういい加減に子どもの命を本気で守るための教育システムに取り組めないのか。場合によっては基本的人権の侵害とも言える「指導」を,なぜ許すのか。

 20世紀の医学,生理学などで多く結論づけられているが,乳児期と第2次性徴期は人間を決定するにとりわけ重要な時期ではないか。それを脇に置いた「教育」システムにどんな未来が待っていると言うのか。

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(※) HUFF POST
http://www.huffingtonpost.jp/2016/03/08/teen-suicide_n_9412356.html
広島で中3自殺 校長、誤った「万引き」記録もとに高校推薦断っていた
朝日新聞デジタル | 執筆者: 朝日新聞社


§§ 過去にも増して資本に隷属させられる労働
 そこで,なぜ受験のシステムを問題としなければならないのか。それは,とりわけ日本で,学校歴による新卒一括採用のシステムまたあるいは露骨な男女差による経済・雇用のシステムを変更しようとしないだけでなく,「世間がそれを否定してはいない」とするような世論誘導さえ平然と行われたままだからだ
 「非正規雇用」と呼ばれるが,実態はいわば資本に隷属させられるだけの労働形態,すなわち日雇労働だ。
 これについて,その働き方が「当人にとって都合が良い」だの,「労働の多様性」などという非道理な言い方はまかりとおる。いくら「要件の厳格化」を言おうと,雇用形態そのものの公正,厳格を企業に義務づけて是正する以外,機会平等は幻影でしかない。
 いったん安い労働力に味を占めた資本の論理からして,その構造を維持するだけが至上命令となることは容易くわかろうというものだ。
 学校で「進路」がふるい分けられることが,人権侵害として捉えられないことも不思議だが,労働者の権利を守ることについて「行き過ぎ」など,ない。
 政治が,企業利益として企業が労働者をモノ扱いすること認め推進せずとも,日雇労働でいいとする人口は一定程度出現するはずで,現政権の政策が,実際上は,自由な競争の阻害であることに,そろそろ本気で気がつけ。
 まだ個々人の努力や,自由な競争と声高に言われるのがいかに欺瞞であり,詐欺的なのか,気がつけ。


 一般の人間は数世紀前に比べてずっと物質的に恵まれている。然し富の面では何らの前進は無かったし、行動様式の柔軟化も改革や革命も無く、人間を一ミリ程度でも平等に近付けることは出来なかった。下層集団の見地に立てば、如何なる歴史的変化も、親方の名前が変わったということ以上の意味合いは持たなかった。 p.261 13行目途中から

 この一文は,トマ・ピケティの分析ではない。
 新庄哲夫 訳 ジョージ・オーウェル 『1984年』

 訳者によるあとがきには


 『一九八四年』 は、たしかに“スターリンのソヴィエト”に触発された反(ディス)ユートピアの権力世界である。それはあらゆる人間性の収奪の上に成立する不毛の世界――人間を人間たらしめない権力集中の告発であった。 p.419 12行目〜
画像

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◇ 参考資料
 表のうち10年ごとに抜き出し,箇条書きにした。大学進学率は学部のみ。短大などは含まず。数字はすべて by レイナ

文部省統計調査企画課 『文部統計要覧』
総務省統計局
就学率及び進学率(昭和23年〜平成17年) 1948―2005

1948年 義務教育進学率
学齢児童 99.64
学齢生徒 99.27

1949年 義務教育進学率
学齢児童 99.63
学齢生徒 99.08

1950年 高校進学率
総数 42.5  男子 48.0  女子 36.7

1965年 高校進学率
総数 70.7  男子 71.7  女子 69.6
1965年 大学進学率
総数 12.8  男子 20.7  女子  4.6

1975年 高校進学率
総数 91.9  男子 91.0  女子 93.0
1975年 大学進学率
総数 27.2  男子 41.0  女子 12.7

1985年 高校進学率
総数 93.8  男子 92.8  女子 94.9
1985年 大学進学率
総数 37.6  男子 40.6  女子 34.5

1995年 高校進学率
総数 95.8  男子 94.7  女子 97.0
1995年 大学進学率
総数 32.1  男子 40.7  女子 22.9

2005年 高校進学率
総数 96.5  男子 96.1  女子 96.8
2005年 大学進学率
総数 44.2  男子 51.3  女子 36.8

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