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zoom RSS 樋口 陽一 「 国会議員は全国民の代表として,自身の良心に基いた意見を持て 」

<<   作成日時 : 2015/08/06 16:04   >>

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樋口陽一 小路田泰直 小沢一郎
「立憲主義の危機」はなぜ起きるのか
 近代日本史を振り返りながら
(7/8)


画像

  三面時計塔の見える歩道にもデモの列 2015/07/24

https://www.youtube.com/watch?v=RorHjGiD5Zg&feature=youtu.be
02:10:29

01:42:35〜01:47:54

小路田 泰直 教授
 小沢さんがコンセンサス社会の特色というふうに仰っられて,僕は日本近代史を勉強していて1点だけ(補足したい)。
 大正デモクラシーは,政党内閣が続いたと言われましたけれども,純粋な政党内閣は多分,原 敬内閣だけ。
 あとは,総理大臣は貴族院議員の場合がけっこう多いね。ですから,総理大臣自身は選挙の洗礼を受けないという形で成り立っていた。そのことも考えなくちゃいけないと思う。それをおいて。

 コンセンサス社会だったからというのは1つの論点であると僕は思うが,もう1つの大きな論点は,多分日本は明治維新以来,世界の実験場だったんだと思う。
 つまり,ヨーロッパ以外の国でいわゆる独立国としてやっていける,最初の国です。
 この日本という独立国をどう育てどういうふうに発展させるかってことが,世界を独立国の集団にしていく。こんにちの国際連合を中心とするこの秩序を形成していくための重要な第1歩は,実は日本であった。
 したがって日本は,実験台としての地位を与えられた。そのために非常に大きな支援もアメリカとかイギリスから得たかわりに,日本がどうあるべきかということについて,常にアメリカやイギリスから規制されるという,この歴史をたどってきたんだと思うんですね。
 そして,残酷ですけれども,僕は第2次世界大戦で日本が原爆攻撃の対象になった。<核爆弾投下 広島1945年8月6日,長崎1945年8月9日>これも1つの実験台だったんではないのかなという感じをしています。
 それが切っ掛けになって,世界は米ソ冷戦構造になり,原子力の時代に入る。破滅の一歩手前を,それを平和の源にして生きていくような社会になったわけです。
 それを制度的に担保しているのが日米安保条約であると考えていくと,すでに世界が移り変わっていくときに,その最初の実験台としての地位を与えられたために,その恩恵も被っているけれども,逆に自分でものを考え自分で行動するということは非常に困難な地位に置かれ続けたんではないか。

 だから,今の安倍さんも,通常おかしいですよね。アメリカの議会でまず宣言してから日本の議会で言うって<苦笑> 順序が逆だって,誰でも思いますけれども,あれを素直にできる感覚というのが,僕は日本のリーダーが負わされてる問題のような気がするんですね。

 だから逆にそれに対して少しでも牙を剥いたら,だいたいどっかで消えてなくなるっていうふうにでき上がっていて。
 このことの重要性をやっぱり我々,感得しなくちゃいけない。
 そのかわり逆に我々日本のことを研究する人間は,実は日本の歴史の中に世界が埋め込まれている,と。

 日露戦争でもアメリカは要するに民族自決権という新しい原則を確立するために,中国の民族自決権を守る,と。だから,満州にロシアが入ることを拒否sする。その民族自決権を同じように守る相手として,日本をパートナーとして選んだ。
 そして,戦うのは日本です。日本が勝利したら,日本がロシアにかわって満州に手を出そうとしたら,それはいけない,と。これは民族自決の原則を守るための戦争だったんだから,するな,と言って,10万人の将兵の血を流した日本が,一切の利権を得てはならないという原則を日本に押し付けてくる。実際は中間点でとりますけれども,それが日米戦争へ向けての始まりですよ。
 こういう地位の中に置かれたということの中に,我々は実は世界史を見る能力を持っているといふうに思います。

 だから逆に僕は日本の歴史をここで転換させて,我々が世界を本当にリードする。世界を変えていく。今の憲法は,言わばそのテキストみたいな形になっていると僕は思うが,世界があの2つの大戦争を終えたときに,もう二度とやるまいと決意した,その決意を日本国憲法と国連憲章に籠めたわけですから。だからそれを少し逆手に取ると言うとヘンな話しですけれども,世界を変えていく出発点にしていけば,逆に,話し合うとか議論をするという風土が出てくるんではないのか。つまり自分たちが先頭を走るという気にならないと,話し合いの風土って生まれないと思うんです。
 常に,与えられたものをどう消化するかばっかり言われてたら,受験秀才はそれでいいですが,普通の人間はメンドクサイと思いますよね。
 今回色んなことが起こってますけれども,そこを逆転させるような転機になればなと思います。我々研究者は本気になってこの日本の中から普遍を語る力を持たないといけない時代に来たなと思ってます。


01:47:54〜01:49:13 <省略> 司会 住友 陽文

01:49:13〜01:50;43
小路田 泰直 教授
 僕は20代の頃は単純な護憲派だったが,やっぱり改憲にも理由があるのかなと色んなことをずっと考えて悩み悩んで今に至ってます。そういう悩みを持つ人たちの気持ちは逆に分かるような気がするんです。

世界の実験場だから強制されたんだけれども,この日本国憲法を持った。自分たちが実験場だったなら,今度はじゃあ,ここからもういっぺんものを考えようというときに,強制されたものを足場にできるんじゃないか。そういう転換が今起こりつつあるんじゃないかなと。
それが,若者が護憲派になる。護憲派の若者って,つい最近までほとんどなかなか見られなかった。大阪なんかとくに改憲派の若者だらけだったんですけれども<笑>それがだんだん,そうでない人たちが増えてくるっていうことの僕は意味かなって,今,実は思ってます。漸く自分で心置きなく日本国憲法は良い憲法だなと思えるようになりました。
 同じ憲法を抱えた70年の歴史であっても,色んな有為転変があって現代に至っているということ。今の状況っていうのを,できるだけ前向きに捉えるために我々ものを考えたいなって思ってます。


01:50:43〜01:51:24 <省略> 司会 住友 陽文

01:51:24〜01:59:12
樋口 陽一 名誉教授
 色んなところで変わるという変化という話題になりましたけれど。
 私も,大いに変わりました。
 私は前から学問というものに対して特別なコンセプトを持っておりまして,大学は象牙の塔でなくてはならない。これは今でもそう思ってます。世の中ときちんと距離を置いて,大事なことを発言するというのでなくちゃ,いかんという意味を含めてですけれど。
 しかし,大事なことについて,発言もしないで来ました。
 で,ここ3年来の世の中の状況を見て,私自身の「憲法」を改正しました。それで先日も,小雨の降る夜に,時間が取れなかったもんですから9時過ぎてましたけれど,そこの国会正門前の若者たちの(抗議活動でスピーチをした)。
 暗いもんですから,私はどれだけ人数がいるか分からなかったんですけれど,2000人と言っておりました。何しろ,歩道にずうっといるわけですからね。見えないんです。そこで,たまたま私が着いたときに,話していた若者が、こう言ってるんですね。「この日本を壊さずに大事にしたいんだ」と。
 これ,今まで報道される若者というのは,「今の世の中はおかしい」と。 (現在抗議活動をする)この若者もおかしいと思ってないわけじゃないんですよ。 おかしいことも含めて,たいへんな格差に苦しんでいる人も多い,3.11も,コントロールされてるなんて言われて抛りだされたままになってる。 おかしいじゃないかと思いつつも,そういうこともあるけれども,この日本を壊さないでほしい,という発言で,私は非常に強く印象を受けました。

 と言うのは,それ以前は,報道される限りで「戦争になれば,皆,平等になるんだ」と。あるいは,「丸山眞男を引っ叩きたい」と。
 丸山眞男というのは戦後民主主義の代表的な論客,政治学者,歴史家ですね。ですからそういう議論 ,民主主義と書立憲主義とかいう議論は 「 けっこうだ。とにかく現状をひっくり返したい」 というのが,若者の中でいくらか気概のある連中はそうだったらしい。 あとの多くの若者は,話しによると「別に...」というふうな感じだったのかも知れません。
 しかしここに来て,大きく変わってきたんじゃないのか,ということですね。

 外国人の新聞記者,テレビ記者等々を通じて,それこそ世界中が関心を持っています。
そしてたとえば,7月の初めにアメリカの有名な憲法学者たちが中心になって,日本の若者を応援するメッセージを送ってきました。
 日本が今,当面している政治問題,政治課題。つまりいわゆる集団的自衛権についての問題。それについてはもちろん日本国民自身が決めることだと。
 彼らが応援したいのは,日本でも若者を中心とする,もの言わぬ若者,もの言わぬ日本国民が,60年安保以来おそらく初めて,普通の人間が普通の若者が,ものを言い出した。
これこそ,彼らからすれば本当の意味で価値観を共有する日本を見出した思いなのでしょうね。

 と言うのは,沈黙の中に,大事なことがどんどん進んでいくということになってくると,どうも日本も(欧米民主主義の国々と)価値観を共有していると思っていたけれども,アジアの某大国とかあるいは某小国と同じように,所詮,個人の尊厳とか言論の自由とか,政治批判,批判の自由,などというのは無縁の国じゃなかろうかという疑念が少しでもあったとすれば,それを打ち壊してくれた。しかもそれは,全学連とか何とかではなくて,1人ひとりの若者です。私が現に暗闇の中で仄かな明かりで見ても。皆,活き活きとしてました。自分たちが言いたいことを言うために来たんだと。
 1人ひとりの日本人。8.15をはさんで考え行動する義務が課されている。

 そうであれば,国会の中で大事なことを議論してほしい政治家たちも,憲法43条の原点に返って。
 と言うのは,憲法43条には,国会議員が全国民の代表ということを,掲げています。
 これは憲法の歴史で,決まった意味を持っているものです。
 選挙区の走り使いでもなければ,政党の一員として自動的にその政党規律に従うのでも,投票するのでも,いけない。
 全国民の代表として,自分の良心に基づいて。
 良心に基づいてという規定を憲法に入れている国も,少なからずあります。
 日本では良心というのは,裁判官についてだけ,その規定にしかありませんけれど。

 改めて,全国民の代表として,自分の意見を,国会議員の方々は持ってほしい。
 (国会議員が自分の)意見を持つように,この夏休み,帰郷する議員さんたちに働きかけようじゃないですか。
 それが私たちに,求められている。
 小路田さんの仰る死者の意思をも受け継ぐ。
 それこそ,全国民というのは,死者,とりわけ戦争の死者です。
<会場・拍手> 

丸山 眞男 まるやま まさお
1914(大正3)年3月22日―1996(平成8)年8月15日


日本国憲法 第四章 国会
第四三条 【両議院の組織】
 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
A 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。


SEALDs
http://www.sealds.com/
私たちは、自由と民主主義に基づく政治を求めます。

戦争立法に反対する国会前抗議行動 SEALDs
https://www.youtube.com/watch?v=f2LFVpw1t7Q
2015.06.19
樋口陽一さん
(東京大学名誉教授) 【 11/12 】

2015年 7月 24日(金) 16時〜18時10分
緊急鼎談 第2弾 立憲主義の危機はなぜ起きるのか
樋口 陽一 憲法学者  東京大学・東北大学名誉教授
小路田 泰直 歴史学者  奈良女子大学文学部教授
小沢 一郎 政治家  衆議院議員
司会 住友 陽文 歴史学者 大阪府立大学現代システム科学域教授


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