銅のはしご

アクセスカウンタ

zoom RSS 「衆院選総括」とか「カネがすべてか」とか

<<   作成日時 : 2014/12/20 16:21   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像  introduction 今後先進国で経済成長は可能か。そして,たとえいくぶんかの経済成長によっても固定した格差はいっそう進むだろう。 予見されているかも知れない「資本主義経済の死」を探るという回り途を辿ってみることはできないか。

 わずかな経済成長をしても,固定化した格差は,解消しないだろう。
 2009年かつての“民主党”が 「国民の生活が第一」と言ったときから 「政治」にあたらしい風を感じたはずが,それを塞き止める事態は,どこからくるか。
 短く歴史を振り返れば,20世紀終わりにそれなりの「中流意識」を人びとの多くが持てた日本社会だったろうが,実は圧倒的に性差による格差を是認することで貧困を覆い隠していたはずだ。

§A 18日付の東京新聞の内田樹氏の衆院選総括

<衆院選を終えて>「カネ優先」見直す時 思想家・内田 樹氏(※1)
 一見,身も蓋もなく見える見出しだけれど,内容はとくに「脱成長」を強く唱える趣旨ではないだろうし,現政権批判として有効性があるかどうか。「カネ優先」という内容の部分の結論では

 「私たちにできるのは、カネ以外のことを考えてみることです。カネもうけを考えると、原発を動かすとか、武器輸出しようとか、戦争やろうとか、カジノ呼ぼうという話になる。かつて皇軍無敵と言い続けたように経済成長を追い求めるプランもあるけれど、経済成長なしでも生きていけるプランBも用意しないと。」

 政権批判としては,まっとうだと思う。こう言われて支持できないあるいは反発する「金に困ってる」若者はそんなに多いだろうか。そうでもないと思う。
 金に困ってるとか生活不安の若者とかは,全員でないにしろ「反原発デモ」とかに結構参加しているのではと思う。古本に中古CDくらいが楽しみの私はと言えば,デモに時々参加している。 どんな感じの人が集まっているのか,気になって見ている。デモということもあるのだろうけれど,大勢いらっしゃる年配の方々も,若者も,その多くはいわゆるオカネモチではなさそうな身仕舞いに見える。 

§B マスコミと自民
 たとえば選挙や政治状況についての いわゆるリベラル勢力の言説や批評が「大衆」に対してそれほど力を持っていないのは何故か。雑駁に言えば,チシキジンを気取る一部に「大衆蔑視」が根深く張り付いていることだ。
 自民が強く,大阪府で維新が強かった(※2)のは,実は「大衆」を「逆張り」しているからのこともあるからじゃないのか。

 今まだマス・メディアが「権力」として機能していても,それが溶解するのはウェブの進化とともに始まっている。新聞を読んだりラジオを聞いたり私自身の日々はそれほど進化していないにしても,まだ暫く時間がかかるだろうけれど旧来型のその形はいずれ溶解することになるだろう。

§C  ウェブの理想は,オープンソース
 金もなければ何もない者,私のような者から見れば,ある程度の経済成長が見込めても,カツカツの生活が保障される雇用が生まれても始まらないだろうと思える。貧困と格差は,その「対象」を変えて続いている。

 内田氏の記事には
 「有権者数を分母にした全国の比例代表の得票数でみれば自民党は千七百七十万票で、17%」

 とある。
 17%の数字から私が連想することは,テレビの最高視聴率が,最近ではこんなものだったかなということ。
 1983(昭和58)年NHK『おしん』期間平均視聴率52.6%。期間平均視聴率に10%代があらわれるのは,2003(平成15)年以降。(※3)インターネットの利用者数7,730万人で人口普及率が60%を超えた年。(※4)

 勢いづいてメモすると,古い形での「知の独占」 「知の権力化」を無化していくことが ウェブ先駆者から提案され実現されかかっているにかかわらず ブレイク・スルーが起きることを嫌っているように見える知識人が多いのは,何故だろう。 お金を払ってある講座に参加したとき講師の1人が 「いろいろ契約が複雑でございますので,ここでの私の発言はブログなどで公開なさらないように」と言っていた。 啓蒙されたり,質疑をしたり,たしかによろしいでしょうが,「市民の知的武装」とはそういうことなのかと甚だ疑問に感じて 私の意欲は完全に殺がれてしまいました。

§D  シャドー・ワーク,「婚活」,格差
 18日(木)夜にはラジオ(※5)J-WAVE BREAK THROUGHで少子化ジャーナリスト・白河桃子氏の話しを聞いた。
 若い女性の結婚願望に関して「専業主婦」は今や最大の憧れの的だそうだ。ところが,65歳以上の独居女性では,その半数が貧困線を割っているという。
 白河桃子氏が経団連の会長に「専業主婦・主夫が子育てするために労働者の給与を2倍に上げられないのか」との質問には「CEOクラス以外の一般の社員の給与の引き上げは,ムリ」と答えたそうだ。

 結婚して子育てして一生を過不足なく送ろうとしても,さてこれからの時代,ダブル・インカムでも老後はアヤシイということ。これで,「女性輝き」「少子化対策」完全に論理矛盾している。
 白河氏によると,先ず若い女性については,統計の母体の偏りにもよるだろうが某女子大では「専業主婦」が最大の憧れの“就職先”だそうだ。配偶者の年収600万円以上がその指標の下限となるという。「適齢期」人口の数%程度。
平たく言えば「珍しいもの自慢」いやむしろ「高収入の配偶者自慢」とまあ非情な現実味で語られていた。
 次に,65歳以上の独居女性の貧困に関しては,これも平たく言えば「旦那が老後の分まで稼がなかった」ということだそうだ。

 私の知る限りでは,団塊世代以上の日本の人びとにとっては,男性が家族を養うことが「至上命令」であり女性の「雇用」はかなり限定されていて「子育て」のすべてが女性の専任だったろう。
 その社会的合意の下,経済のシステムはそれに沿った雇用の場と賃金も含めて機能していた。女性たちは結婚によって「養われて」はいたが,自らの財産形成は不可能だった。 子育て,家事労働,親たちの介護など,いわゆるシャドー・ワークが,社会の構造を支える“鉄骨・鉄筋”としての労働であり経済発展を可能にさせていたにもかかわらず,要はタダ働きをしてきた,もしくは,させられてきた。
 東北など農林漁業が中心の地域では「嫁」は,それらシャドー・ワークは当然で,それ以上に実際は「賃金なし」の重要な労働者として経済そのものを支えてきた。
 しかし,医療を含む長期の老後の問題についての解決策は,そこに含まれていなかった。「世帯主」亡き後,もしくは離婚などにより独居となった場合のリスクは,未だに解消されてはいないだろう。
 いまだに家事労働,保育,介護等々で,それらの賃金が他の労働に比してかなり低いことを見るといい。有能であるにかかわらず「カネもうけ」とは直結しない家事労働 ・子育て というおそらくもっとも過酷な「タダ働き」の制約の中で,それでも,十分女性は輝いていたことだろう。

§E 収奪のない形での先進国の経済成長は可能か
 果たして「土地,水」が市場原理で取り引きされる時代にあって,収奪のない形での先進国の経済成長は可能か。現在の金融資本主義を骨組みにした資本市議市場で,労働者はすでにモノ以外の何でもない“地位”を手に入れている。単なるコストとしての“地位”を不動のものにしている。

§F 人間は,自ら生きている
 あの小泉政権の頃だった。「自助・共助・公助」と政治家までが言い出した。呆れた。今でも一部政治家などに平気でこのフレーズを使う人もいたりして,ゾッとする。
 「自助」というときには,必ず「困っても自分でやってよね」「困ってるのは,自分のせいだよね」という意味でしか言っていない。「共助・公助」は,社会である以上,当然の話しだ。


(※1)東京新聞 2014年12月18日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014121802000160.html
<衆院選を終えて>「カネ優先」見直す時 思想家・内田 樹氏


(※2)毎日新聞
2014年12月20日08時00分(最終更新12月20日10時26分)
http://mainichi.jp/select/news/20141220k0000m010150000c.html
維新の党:「無視できないでしょ」大阪都構想、統一地方選
大阪府の比例代表の得票は維新の党が114万票


(※3)Video Research Ltd.
http://www.videor.co.jp/data/ratedata/program/02asa.htm
NHK朝の連続テレビ小説【関東地区】


(※4) 「平成15年 通信利用動向調査報告書 世帯編」 より抜粋
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR200300_001.pdf

図表 14 通信利用動向調査によるネット利用状況
年度         合計【単位:万人】
H13年末(2001)   5,593
H14年末(2001)   6,942
H15年末(2001)   7,730
H16年末(2001)   7,948
H17年末(2005)   8,529


(※5)J-WAVE BREAK THROUGH
http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/break/141218.html
20141218 『今とこれからの結婚観、家族観をどうみていけばいいのか?』
(ゲスト:少子化ジャーナリストの白河桃子さん)


◇ 追記 2014/12/20 19:05
(※1)東京新聞 2014年12月18日 朝刊 内田樹氏インタヴュの「ロングヴァージョン・ディレクターズカット版」がウェブに公開され,読めます。読みました。

tatsuru.com
内田樹の研究室
http://blog.tatsuru.com/
2014.12.20
東京新聞のロングヴァージョン「選挙の総括」


画像
  ミシェル・フーコー『性の歴史 TU V 』

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
「衆院選総括」とか「カネがすべてか」とか 銅のはしご/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる