銅のはしご

アクセスカウンタ

zoom RSS いまだマイノリティである女性

<<   作成日時 : 2014/11/10 00:38   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 「天声人語」で あっさりまとめられていましたが,実際のパネルディスカッションを私が聴いて感じたのは,やはり女性は日本では社会的に まだまだソンな役割分担を押し付けられているんだと言っちゃっていいんだな,ということでした。365日休みなく炊事・洗濯・裁縫・掃除・介護その他あれこれ多忙だった母や,家事の他にいくらか趣味的ではあったにしても花や果物を栽培していた祖母たちや,祖母を最期まで看病して結婚できなかった伯母のことや,思い出したり。
 女性の社会的承認への渇望というのが,政府の考えている方向とはたしかに 全然違うものです。要するに,当事者の意見抜きで看板を出してみただけの,言葉などまったく信頼していない安倍総理の態度にもありありなんだけれど,そこのところを,切れ味鋭く浜矩子氏は発言された。
 ふだん,はっきりモノを言うと「お前,オトコか」と煙たがられてきた自分自身を思うに,日本で通用しているジェンダー・バイアスはわりと底知れない感もあるんですが。政府の「女性活躍」はデキル女性は男以上に社畜になれ,そうでない女性は一生ハケン,みたいな現実ですからね〜。浜矩子氏曰く “ 女性輝きブラックランド ”。
 でも,労働者派遣法「改正」案で,性別問わず私たちの生活は根こそぎメチャクチャになるかも知れない。
 司会をなさった三浦 まり氏は,『女性の「活躍」と言うが,本質は,女性を「使い倒す」政策でしかない』と舌鋒鋭く口火を切られた。 女性の視点というポイントから研究を続けていらっしゃる各先生の発言のメモ。敬称略。


立憲デモクラシーの会 公開シンポジウム 2014/11/07(金)
http://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/
「国家は何を守るのか――グローバル化と戦争」
画像

第2部 パネル・ディスカッション「戦争と女性」
司 会 三浦 まり(上智大学・政治学)
浜 矩子(同志社大学・経済学)
岡野 八代(同志社大学・政治学)
青井 未帆(学習院大学・憲法学)

三浦 まり
 女性の「活躍」推進と言うが,本質は,女性を「使い倒す」政策。
 女性議員が少ないことなどでも民主的な政治の意思決定がなされてこなかった。 買弁国家になり下がった現在の日本である。

<女性は,戦争に対する強力な防波堤たる>
浜 矩子

 新約聖書では「初めに言葉ありき」「言葉は光だった」,旧約聖書では「朽ち果てることのない智慧」。
 当初女性の「活用」と言っていたが,あまりの評判の悪さに「活躍」と言い換えたが,やろうとしていることは“女性輝きブラックランド”を作ろうとしているだけの政策。

 幼児的凶暴性,弱虫の凶暴性が戦争を引き起こす。女性は,戦争に対する強力な防波堤たる。 では,男性になく女性にしかない視点とは何か。それは強いことでの“ゆとり”であり攻撃的になる必要がないことだ。
 女性は規定の役割を越えて社会を視ることができる。そして,女性たちは強い。
 女性たちは,差別されているから,強い。なぜなら差別とは,恐れの生む装置であるから。

 経済学ではモノは貿易財と非貿易財とに分類できる。譬えれば,女性は貿易財であり,日本の男性たちは非貿易財である。
 非貿易財の特徴は,3点。1 移動性が低い(大きなビルなど) 2 環境適応力が低い(ビール,オリーヴ,チーズなど) 3 壊れやすく耐久力が低い
 女性の強さは,戦争に対する強力な思考の防波堤たる。安倍政権が考える女性の「活躍」とはまったく違う活躍ができる。


◇ ヨハネによる福音書
 (1〜18)
賛歌 一 神であるみ言葉
 初めにみ言葉があった。
 み言葉は神と共にあった。
 み言葉は神であった。
 み言葉は初めに神と共にあった。
 すべてのものは、み言葉によってできた。
 できたもので、み言葉によらずに
 できたものは、何一つなかった。
 み言葉のうちに命があった。
 この命は人間の光であった。
 光は闇の中に輝いている。
 闇は光に打ち勝たなかった。


<憲法に謳われている個人の尊厳>
青井 未帆

 憲法に謳われている個人の尊厳。 女性は,マイノリティであることのプレスティージを最大限に活かす。
 権力を持つ者にとっては厄介な存在であると同時に,都合のいい存在でもある女性。
 マイノリティ集団は,戦争に資するものとなり得るという歴史。「国防婦人会」は,当初台所からの女性の解放を言ったりしたが,戦争当事者になることで社会的承認への渇望を実現した。
 ベアテ・シロタ・ゴードン(1923年10月25日―2012年12月30日)は,憲法24条に,リプロダクト可能な最小単位が家庭でありその家庭生活の中に個人を取り出している。

 憲法には個人の尊厳が謳われているのに,生活世界では,女性が社会的承認を得たいが,得られていないという憤懣が渦巻いている。


◇ 歴史メモ
国防婦人会
 正式名称は大日本国防婦人会。1932年大阪の主婦らにより発足した女性団体。陸軍の支持,指揮下に組織を拡大。女性の戦争協力機関として活動。「国防は台所から」のスローガンを掲げ,出征者の送迎,傷痍軍人・遺族会の扶助等のほか、防空演習も行なった。1942年大日本婦人会へ統合。
大日本婦人会
 1942年設立。在来のすべての婦人団体を統合し,軍部・政府の指揮下に高度国防国家建設に即応する体制確立をめざした。20歳未満の未婚者を除くすべての婦人を会員とし,大政翼賛会に加入。1945年国民義勇隊女子隊に改編。
愛国婦人会
 近代日本の軍事援護事業を目的とした婦人団体。 北清事変(1900年6月20日―1901年 9月7日)従軍の奥村五百子(いおこ 1845―1907)が主唱氏、傷病兵・遺族の援護を目的に1901年設立。趣意書は,下田歌子(1854―1936/1898 帝国婦人協会を組織のち愛国婦人会会長も務める)が起草。 上流婦人を中心として軍国主義の波に乗り,1905年会員は50万人近くに膨張。1930年代になると思想強化・社会事業にまで手をのばし,1942年 大政翼賛会下部の大日本婦人会に統合され,戦後解体。


日本国憲法
第三章
 国民の権利及び義務
〔家族関係における個人の尊厳と両性の平等〕
第二四条
 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
  配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない

http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j01.html#s3

<戦争状態とは,市民が奴隷状態にあるということ>
岡野 八代

 ジョン・ロック 立憲主義。国家=政府が設立されたのは,市民の自然権「自由・生命・財産」の所有権を守るためである。
 戦争とは被害の救済が法的手続きで回復しない状態であり,戦争状態とは民が奴隷状態にあること。すなわち,民は絶対君主の下の臣民ではなく,奴隷となっている状態。
 軍隊は(市民を守る訓練ではなく)破壊 ・ 殺戮のための訓練しかしていない。

 戦時の強制について,戦争状態とは市民が奴隷状態にあるという認識の欠如から 「慰安婦」問題すなわち戦時性奴隷制度自体をも否認する現政権。
 国際連盟の奴隷条約(1926年)を継承した奴隷制度廃止補足条約(1956年)は,世界123か国が加盟している。しかし,日本は,署名も批准もしていなければ,クマラスワミ報告書(1996年)に対しても,今年10月16日外務省の佐藤人権人道大使が吉田清治氏証言の引用を修正するよう要求した。

 現在の日本で,例えばシングル・マザーの貧困 「JKお散歩」などの性産業に従事せざるを得ない女性の貧困の深刻な現状は枚挙に暇がない。こうした女性たちが不平不満を言える場所も必要だ。


◇ 参考
中野晃一 Koichi Nakano‏ @knakano1970
一昨日の立憲デモクラシーの会シンポジウムでの「戦争と女性」パネルディスカッションが取り上げられました。
天声人語:朝日新聞デジタル―朝日新聞デジタル http://t.asahi.com/6fq
16:28 - 2014年11月8日

朝日新聞 2014年11月9日(日)付 「天声人語」

http://www.asahi.com/paper/column.html

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
いまだマイノリティである女性 銅のはしご/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる