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zoom RSS 「自国利益を損なっても自己利益を増大する私利私欲に塗れた買弁」

<<   作成日時 : 2014/11/08 19:48   >>

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内田 樹 (凱風館・館長) 2014年 11月 7日
立憲デモクラシーの会 公開シンポジウム 講演

「資本主義末期の国民国家のかたち」

<エスタブリッシュメントの劣化>
 山口二郎教授の 「日本版マッカーシズムの出現」 「エスタブリッシュメントの劣化,制度の崩壊」 「日本に復元力はあるか」 という問題提起に引き寄せて,今の日本のエスタブリッシュメントは国益を失ってしまっているのは,何故なのか。つまり,安倍政権は,何故,存在しているのかと考える。

<対米従属。面従腹背>
 戦後の対米従属を通じての対米自立=主権の確立。 対米従属がキャリア・パスとして有効だったという合理的な意味を持っていた。
 戦後続けられた対米従属は「暖簾分け」戦略を採ることでの対米自立(国家主権の確立)すなわち国益の確保という成功体験をもたらした。
  「暖簾分け」とは,徹底して忠義を尽くし最後には自立するという日本に深く身体化・内面化したシステム。その採用が今や無意味になっても続けられている。

 戦後の対米従属による成功体験。1つには1951年のサンフランシスコ講和条約(日本国との平和条約)は連合国による日本の主権の承認という寛大なものだった。
 2つ目には,1972年の沖縄返還。国土の回復。
 こうした面従腹背と言える 「暖簾分け」システムの有効性のために,国益をかけた水面下の戦いは,1980年代半ばに終わりを遂げる。

<国益を最大化するとは何か>
 国益とは,まず国土すなわち山河であり,アメリカ軍のために沖縄に基地を提供し続けることは,何ら日本の国益ではない。
 2010年5月4日鳩山由紀夫首相は沖縄・普天間米軍基地を「国外,最低でも県外」と発言し,外務省,防衛省,メディアまでもがそれをバッシングした。

 日本の国土を保全し,主権を回復することが国益の増大であるにもかかわらず,外国の軍事的駐留を止めさせることが何故バッシングされたのか。対米従属的なマインドを持つ人間が出世する仕組みができあがっているからだ。
 現在の日本では,対米従属的なマインドを持つ人間が出世する仕組みは政・財界,メディア,学界までも浸透し,エスタブリッシュメントの激しい劣化をももたらしている。

<買弁と面従腹背>
 日本のエスタブリッシュメントは,19世紀清朝の買辦に最も似ている。
 自国利益を損なっても個人の利得,自己利益を増大するという私利私欲だけの買辦が現在の日本のエスタブリッシュメントだ。
 自国益が全く増大しないにもかかわらず 対米従属を続ける。アメリカに資するための特定秘密保護法と「集団的自衛権の行使容認」の閣議決定。
 しかし,その反面で靖国参拝をし,面従腹背をするというやり方で,安倍政権は対米従属しつつ国家の主権を言う。
 北朝鮮に対しては,「拉致被害者問題」と引き換えに経済制裁を緩める。

<日本国民の基本的人権を制限する「特定秘密保護法」>
 特定秘密保護法には,権力中枢から漏洩する機密の保全という最も重要な部分がない。 直近のイギリスのスパイ事件からも何一つ学んでさえいない。ソ連のスパイ= キム・フィルビーによる国家機密漏洩(フィルビー事件)。ジョン・プロフューモのピロー・トークで漏洩した国家機密(プロフューモ事件)。

 国民の基本的人権を制限するだけで,情報公開法は整備されておらず,未来永劫秘密となる恐れもある。
 特定秘密保護法は,日本国民の基本的人権を制限してまで,日米の軍事作戦上のアメリカの軍機の保全をするためのものである。

<他人の喧嘩を買うだけの「集団的自衛権」>
 アメリカは戦争を「外注」することの莫大なコストに疲弊し,2001年9月11日同時多発テロからは,莫大なカウンター・テロのコストに悩む。

 世界での集団的自衛権行使の例は,ほとんど外部からの武力攻撃が発生していない状態で行なわれている。
 ハンガリー動乱 1956年10月23日―11月10日 ソ連
 ヨルダン派兵 1958年 イギリス
 ヴェトナム戦争 1950年12月―1975年4月30日 アメリカ,オーストラリア,ニュージーランドなど。日本はアメリカ軍のための基地を全面的に提供。
 チェコスロバキア「プラハの春」 1968年 ソ連
 アフガニスタン軍事介入 1979年 ソ連
 ニカラグア軍事介入 1981年 アメリカ
 チャド派兵 1983年 フランス

<国家>
 死者たちと,いまだ産まれて来ざる者たちと,我々が,利害を共有している。
 空間的表象のみで国家を語るな。 空間=二次元的にとらえるのではなく,時間=垂直をもって国を考えること。 山河あるいは死者とは,言語,習俗,文化などなどであって,死者たちの権利・義務に配慮する。山河とは,我々を養い支えている人工的あるいは自然の培養器であり,死者たちとこれから産まれる生命も含むフル・メンバーの権利・義務に配慮すること。
 「そこに存在しないもの」を手掛かりにして,組織・身体・共同性を整えること。 (これに係るキーワードは無限消失点)

<相手のロジックを言い当てろ>
 現在のエスタブリッシュメントの対する悪口も罵倒も無効だ。有効なのは,相手を恐れさせること。それには,相手のロジックを言い当てること。
 国家戦略が不明である日本の政権に対して,外交関係では,合理的判断をして国家間ゲームを展開してほしいという外圧が出てくるだろう。

<知性の運動>
 政治運動をする気はない。しかし知性の運動を継続することで「日本を復元」していく。

画像

(※) 参照 
内田樹の研究室
従者の復讐
http://blog.tatsuru.com/2010/04/08_1249.php
基地をめぐる思考停止
http://blog.tatsuru.com/2010/01/27_1430.php
集団的自衛権と忠義なわんちゃんの下心について
http://blog.tatsuru.com/2012/09/14_1132.php
通販生活
http://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/vote/index5.htm
自分の「シマうち」での反抗的な動きを潰す権利が日本にどうして必要なの
思想家 内田樹


山口二郎
https://twitter.com/260yamaguchi
内田先生の話の最も重要なメッセージの1つは、空間よりも時間軸でものを見て考えろということ。今、この瞬間だけを見て利益を最大化するという行動様式を取っていては、社会は解体する。国民も消滅する。ただ、今この瞬間だけ見るなと言い続けて15年くらいたって、もうちょっと辛抱と言いにくいが
6:31―2014年11月7日

立憲デモクラシーの会

http://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/

◇ 今日のお知らせ by レイナ
 まずお断りいたしますが, これは私的なメモで,できる限り正確を期していますが,立憲デモクラシーの会での内田樹氏の講演内容を完全に正確に書き取ったと保証はできせん。内田樹氏の著作をまだ買われていない方々や 上記参照の膨大なブログをまだ読まれていない方々に参考になると思ってメモを公表します。なお,以下,個人的な感想を付け加えます。


≪ 内田樹氏 ; 「そこに存在しないもの」を手掛かりにして,組織・身体・共同性を整える ≫

 J.R.R.トールキン『 指輪物語 』に含まれる哲学は,すでにこのメッセージを超えているんですが,釈迦に説法でしょうか...

≪ 内田樹氏 ; 現在のエスタブリッシュメントの対する悪口も罵倒も無効だ。有効なのは,相手を恐れさせること。それには,相手のロジックを言い当てること ≫

 これを,私は逆に考えてみた。
 小沢一郎代議士が一部の人にかなり恐れられている理由の1つは,ロジックを曲げないことにあるからだと。しかもそれが,清々しいばかりの理念「国民の生活が第一」に基づくロジックであることは,言うまでもないけれど。
 で,近隣諸国との協調的な外交姿勢を示すために,政府の体たらくをよそに9月には生活の党夏季研修会は韓国で行なったというし。


◇ 参考
国民の生活が第一

生活の党 ― People's Life Party ―
http://www.seikatsu1.jp/
党活動
http://www.seikatsu1.jp/activity/party/20140904-studytrip3.html
小沢一郎代表、国民大学より名誉博士学位を受領
研修会で訪韓中に授与式に出席 (2014年9月4日)


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