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zoom RSS 日本では在日韓国・朝鮮人は,なぜ国籍を個人の意思で選べなかったか

<<   作成日時 : 2014/10/23 22:39   >>

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 昨夜のTBSRADIO 「荻上チキ Session 22」でスタジオ・ゲスト田中 宏・一橋大学名誉教授は,岩波新書 『在日外国人』が初版から20年経ち 法律なども変わっているので中身も書き変えたいと仰っていた。番組はまだポッドキャスティングで聞けます。
 日本で「在日韓国人,朝鮮人」という事実上の無国籍状態=無権利状態が何故つくられたのか。敗戦で植民地としていた朝鮮人,台湾人の在留をどうするのかというとき,日本政府は暫定措置の法律「法126の2の6」(※1)で,取り敢えずの「在留資格」を作りだしたという経緯。
 日本が敗戦を近代民主主義国として自立する契機としてとらえきれずに今まで来たことの1つの大きな側面として再び考えることができた。
 敗戦国として似た状態にあった日本とドイツ・その違いの部分の田中 宏氏のレクチュアを文字起こししてメモ。


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田中 宏 一橋大学名誉教授

<敗戦国として似た状態にあった日本とドイツの違い>

 20何種類ある在留資格に,60万人の人を1晩のうちに全部振り分けるのは不可能です。
 だから,特別な法律を作って,取り敢えず日本にいられることにする。在留資格がないけれども。
 在留資格がない人が,日本にいる外国人の9割を占めるという何とも奇妙な形になるわけです。
 日本国籍が1952年になくなったということですが,実は,植民地が分離独立するときに住民の国籍をどうするのか。そんなに珍しいことじゃなくて,色んな例がある。植民地はいっぱいあったわけですから。わかりやすい例では,ドイツと日本は非常に似ている。
 何故かと言うと,ドイツと日本が戦争に負けた結果,植民地がドイツから分離され,日本から分離された。
 ドイツはすぐお隣のオーストリーという国を併合した。地球上からオーストリーを無くすんですよ。
 東アジアでは,日本が朝鮮半島を(併合した)。私が子どものころは(地図では)朝鮮半島は日本と同じ赤い色になっていた。だから地球上から,朝鮮が無くなるんですね。

 ところが,日本とドイツは戦争に負けた結果,その植民地を分離する。そうするとオーストリーが,独立国になります。朝鮮が,日本から分離されます。
 さあ,ドイツは,それじゃあ,どうしたか。
 ごく簡単なことだけ言うと,ドイツは法律をまず作るんです。1956年だったかな。その法律にどういうことが書いてあったか。
 「 オーストリーが独立する前の日に,ドイツ国籍はすべて消滅する 」 だからドイツからなくなる,と。
 「 ただし,ドイツに住んでいるオーストリー人は 」 これは,在日朝鮮人に該当する人ね。
 「この人たちは,自己の意思を表明することによってドイツ国籍を回復する権利を有する 」と,法律に書いてある。
 ですから,国籍の選択を認めたわけです。
 新しくできたオーストリーの国籍でいくか,あるいは今住んでいるドイツの国籍でいくか,それは,それぞれの人が決めてください,と。

 ところが日本の場合は,全部外国人になっちゃうでしょ。そうすると,日本にいる朝鮮人で日本国籍を取りたいという人が当然いますよね。どうするかと言うと帰化の申請をするわけです。
 帰化の申請をしたら,誰が(その人の国籍を)決めるか。 決定権は(日本の)法務大臣が持っているわけですよ。日本側が決定権を持っている。
 ドイツの場合は,オーストリー人が決定権を持っている。

 だからドイツと日本との(在留外国人に対する)関係と言うのは,まったく逆なんですよね。そのことをやっぱり,押さえておいた方がいい。


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重要な追記 2014/10/24 01:00 全文転載
ARALT
http://aralrt.tumblr.com/
Anti Racism Action Liaison Teamは差別主義、排外主義に対する カウンターのための情報を伝えます。

http://aralrt.tumblr.com/post/100640329427#notes

橋下市長が特別永住資格の廃止に意欲【レイシズム】

大阪市長には国政への直接の発言権はありませんが、国会で多くの議席を持つ政党の代表としての発言は重要です。私たちは、この市長の発言に対して、強く抗議します。
大阪市の橋下市長が10月21日、「ヘイトスピーチ対策として、特別永住資格の見直し(事実上の廃止)をする」ことに意欲を示す発言をしました(一部有料の朝日新聞の記事はこちら)(※2)
報道によれば、同市長は「特別扱いは差別を生む」「在日韓国・朝鮮人(※3)への攻撃を抑える狙いもある」「「国政課題として維新が引き受けた。在日韓国人(※4)への攻撃はやめて、維新や僕に攻撃してくれればいい」等と語ったとのことです。
橋下市長は、この前日、在特会の会長と会談し、「ヘイトスピーチは許さない」「大阪に在特会は要らない」と語りました。私たちはこの発言に共感し、支持します。しかし、その方法として「特別永住資格を廃止する」という提案がなされるなら、発言の効果は台無しになります。
橋下市長、ご存知ないかもしれませんが、あなたの主張は在特会のそれと全く同じです。あなたが在特会会長と面談する前日の10月19日、大阪・難波の街頭宣伝で、在特会幹部は次のように語りました。
「在特会に反対する人たちがいます。在特会を消滅させたい、ならば、話は簡単です。特別永住制度、入管特例法を廃止すればよい。そうすれば、在特会は直ちに解散します」と。

橋下市長、これは、あなたのおっしゃることと、どう違うのですか。ヘイトスピーチと特別永住資格を引き替えにするというのは、まさに在特会の目的そのものではありませんか。これでは、あなたが在特会と対決されていることにはなりません。むしろ、違う方法で在特会の目的を達成しようとしておられるだけです。
特別永住資格は、特権などではありません。差別を解消するための、アファーマティブアクションでもありません。それは、在日コリアンの人々の生存権を、か細いながらも辛うじて保証する制度なのです。それを否定することは、ヘイトスピーチよりもいっそう悪質な人種差別行為に直ちになります。

市長、あなたは20日の会談のなかで、「卑怯」「弱い者いじめ」という言葉を何度か使われました。けれど、乱暴な言葉、貶める表現だけがヘイトスピーチなのではありません。それだけが差別なのでもありません。差別は、丁寧な表現のなかにも、上品な発言のなかにも、政策にも潜んでいます。あなたがなさった特別永住資格についての発言、そして(今回の発言とは直接関係がありませんが)主導的に行ってこられた朝鮮学校への補助金の廃止政策は明快な人種差別です。そのことを、どうか、良く考えて頂きたいと思います。そして、直ちに差別をやめてください。


――  ――  ――  ――
(※1)

ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く外務省関係諸命令の措置に関する法律( 昭和27年 法律第126号 )

配布資料 09−01
http://www.dce.osaka-sandai.ac.jp/~funtak/kougi/japan_korea/s-j_k_09.pdf#search='%E6%B3%95%EF%BC%91%EF%BC%92%EF%BC%96+%E6%AD%A3%E5%BC%8F%E5%90%8D'
B 法律第 126 号(1952 年 4 月 28 日公布・施行)
[前略]
第 2 条
[中略]
日本国との平和条約の規定に基づき同条約の最初の効力発生の日において日本の国籍を離脱する者で、昭和二十年九月二日以前からこの法律施行の日まで引き続き本邦に在留するもの(昭和二十年九月三日からこの法律施行の日までに本邦で出生したその子を含む。)は、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二十二条の二第一項の規定にかかわらず、別に法
律で定めるところによりその者の在留資格及び在留期間が決定されるまでの間、引き続き在留資格を有することなく本邦に在留することができる。
[後略]
〔 正式名称「ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く外務省関係諸命令の措置に関する法律」 〕

(※2)
一部有料 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASGBP3RLBGBPPTIL00C.html
橋下氏「特別永住資格の見直し必要」 憎悪表現対応で
2014年10月21日13時46分

(※3)
http://www.asahi.com/topics/word/%E5%9C%A8%E6%97%A5%E9%9F%93%E5%9B%BD%E3%83%BB%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E4%BA%BA.html
(※4)
http://www.asahi.com/topics/word/%E5%9C%A8%E6%97%A5%E9%9F%93%E5%9B%BD%E4%BA%BA.html

◇ 番組情報
TBSRADIO 954kHz 荻上チキ Session 22
http://www.tbsradio.jp/ss954/
2014年10月22日
Main Session 「在日韓国・朝鮮人の戦後史」
「特別永住資格」の歴史的経緯とは?
▼在日外国人の現状や法制度に詳しい
一橋大学名誉教授田中宏 さん
▼在日朝鮮人の歴史が専門、
明治学院大学 教養教育センター准教授鄭 栄桓チョン・ヨン・ファンさん
ポッドキャスティング

http://podcast.tbsradio.jp/ss954/files/20141022main.mp3

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