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zoom RSS アイヌ民族の文化を守ることは,うつくしい にほん の実現

<<   作成日時 : 2014/08/23 01:01   >>

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 近世以降の松前藩による過酷な支配と,1855年以降の明治政府による「同化政策」などで先住民であるアイヌ(人間という意味)の人口は激減したと考えられる。
 奥深い文化をもっている民族の隆盛を恐れた過去の施策だけでなく,現在,なおその存在を危機に晒す発言がある。

 金子快之(かねこ やすゆき)札幌市議会議員の「不透明な特権」などとするツイートからは,少数者や他民族を恐れるというバーバリックな金子市議の人格が,恥ずかしげもなく露呈しているということだろう。 また120年経ってなお,いわば差別的「同化政策」についての反省すらないということだ。
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 ウタリ(同胞という意味)として,アイヌ民族の文化を守ることは,うつくしいにほんの実現であるはずだ。

 「松前家はアイヌの人たちが、開けて強くなるのを恐れて,文字を禁止し、はきものを禁止し、傘もささせなかったりした」
 「ただ小藩の自己保存の犠牲となっていた」
 荒木田 家寿がこう書いたのは1962(昭和37)年5月のことだ。
 
 それから35年後,1997年5月にアイヌ文化振興法は,元参議院議員・萱野 茂(かやのしげる)氏在任中に成立した。(任期1994〜1998年)

 そして,一昨日21日付毎日新聞によると「07年の国連による先住民族の権利宣言を受け、国会は08年6月、アイヌを先住民族とする決議を全会一致で採択。金子市議も所属する自民党の安倍政権は今年6月、アイヌ文化の復興を促進するための「民族共生の象徴となる空間」を白老町に整備する基本方針を閣議決定している。」

画像

◇ 『 アイヌ童話集 』 と 『 世界昔ばなし(下)』
金田一 京助 荒木田 家寿 『 アイヌ童話集 』
講談社文庫 昭和56年7月15日第1刷


< 一部転載;「原始生活」「劣った人種ではなく」という表現からは,ひどい差別観が流布されていたこともわかる。 >
p.229〜237解説 ―アイヌの昔話と神話について―
荒木田 家寿
p.229後ろから2行目〜 p.230 6行目
 むろん、遠方の島で、文化の光りの及ぶことがおそく、むかしのアイヌは自然にまだ原始生活をしていたものでした。そこへ内地からきて君臨した松前家は、小藩(しょうはん)であったために、アイヌたちの開けて強くなるのを恐れて、いつまでも開けさせないように文字を禁止したり、げた、はきものを禁止して、はだしで歩かせたり、かさもささせなかったりしたのです。けっして根っから素質の劣った人種ではなく、ただ小藩の自己保存の犠牲となっていたものです。
 その証拠に、アイヌの間にはむかしから、りっぱな、祖先の武勇談、英雄談、建国の神話や、神々の系統から祭祀の由来を説くいろいろの歌物語の叙事詩(じょじし)や「昔話(ウェペケル)」の類がかずかぎりなく、口伝えに存在していることでも判ります。
< 中略 >
p.230後ろから1行目〜 p.231 1行目

 さきほど、私はいろいろの叙事詩といいましたが、これはアイヌの言葉でユーカラというもののことです。このユーカラにも、「神々の歌(カムイ・ユーカラ)」と「英雄の歌(アイヌ・ユーカラ)」とがあります。 

『 世界昔ばなし(下) 』アジア・アフリカ・アメリカ
日本民話の会・編訳
講談社文庫 1991年12月15日 第1刷

p.49〜90 アイヌ

この世にセミの生まれたわけ
 カムイ・ユカラ (採話 ニコライ・ネフスキー)
キツネ神とカワウソ神
 カムイ・ユカラ (採話 ニコライ・ネフスキー)
石狩の少年と悪おじ
 カムイ・ウェペケレ
キリギリス
 カムイ・ユカラ
ものぐさぼうず
 カムイ・ユカラ

◇ 荒木田 家寿による アイヌの ユカラ と ウェペケレ のアウトライン
ユカラ 叙事詩 
「アイヌ民族の文学的創造である叙事詩」神謡。すべて韻文でできあがっている。自叙体で語られる。 いろいろの神々の由来を物語るカムイ・ユカラ(神々の歌)と,アイヌ・ユカラ(英雄の歌)がある

カムイ・ユカラ(神々の歌)
 オイナ(聖伝)オイナとは,経典または聖典であり,アイヌの信仰の生活根源になっている人祖アイヌラックル(またの名オキクルミ)の業績を歌いたたえる,アイヌ文学の白眉といえる。一定のリフレインを繰り返しながらその間に言葉を挟みこんでストーリーをつづっていく
 カムイ・オイナ : 天神の神統を述べている物語
 ポロ・オイナ(大オイナ) : 日の神を巨魔から取りもどす物語
 ポン・オイナ(小オイナ) : 西浦の神の物語
 ほか,これらの異伝,別伝

アイヌ・ユカラ(英雄の歌)
 長編叙事詩

ウェペケレ(噂ばなし) 散文説話。炉端での,即興詩。
 カムイ・ウェペケレ(神々の昔話)
 アイヌ・ウェペケレ(英雄の昔話)
 パナンぺ・ペナンぺ・ウェペケレ(パナンぺ・ペナンぺ昔話)
 シャモ・ウェペケレ(和人昔話)

 パナンぺ・ペナンぺ・ウェペケレとシャモ・ウェペケレは,第三人称の叙述の形式で語られる。


◇ 追記 2014/08/23 12:22  表記の違いについて。
 金田一と荒木田がアイヌ文学を研究していた時代には,「ユカラ」は「ユーカラ」,「ウェケペレ」は「ウェケペル」とされていた。 より研究が進んだ近年では,音引きなしの「ユカラ」が,語尾が「ル」ではなく「レ」である「ウェケペレ」が正確だとされている。


◇ 参考

萱野 茂
アイヌ文化研究・博士(学術)
1926(大正15)年6月15日(火)―2006(平成18)年5月6日(土)

ニコライ・ネフスキー
ロシア・ソ連の東洋言語学者・東洋学者・民俗学者
1892(明治25)年3月2日(ロシア暦2月18日)―1937(昭和12)年11月24日

公益社団法人 北海道アイヌ協会
http://www.ainu-assn.or.jp/about03.html

毎日新聞 2014年08月21日19時32分(最終更新08月21日21時12分)
http://mainichi.jp/select/news/20140822k0000m040051000c.html
「アイヌいない」発言:識者「帰属意識あれば民族存在」

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